一般人と強化 ページ2
_
簡単な治療を終えて、頬のかすり傷など軽症は絆創膏等で応急処置を施す。流れる汗が傷口に染みないのはありがたいが、如何せん生傷が多い
危険だからと長袖のジャージを着用させられたが、こんなんじゃ簡単に熱中症で倒れてしまう。軽くサウナに入っている気分だ。途中から上着を脱いで黒いTシャツ一枚で挑んだが、当然の如く腕に生傷が増えただけだった
『見て硝子さん、この人女子生徒傷物にしたんですよ』
「生徒を傷物にするとは、クズだな」
「貰い手なら僕がいるでしょうが」
「未成年淫行か、アウト」
『生徒に手ェ出そうとしてる〜！？』
キャッキャッと硝子さんと二人で五条先生をからかう。この時間が一番楽しいかもしれない、目の前で呆れたように肩をすくめる五条先生。予め準備していたタオルで汗を拭うと、どこからか聞き慣れた声が聞こえてくる
「あ！Aさんじゃん！チーッス！」
『お、１年ズ久しぶりだね』
「Aさん！なんでそんなに汗まみれなのよ！？」
「大方五条先生の特訓終わりだろ」
御名答、と指を鳴らしてみせると野薔薇ちゃんが信じられないと言った視線を五条先生に向ける。いいぞ、もっとやってくれ。そしてこの特訓という名の地獄から私を逃してくれ
「こんなにボロボロになる特訓って…私なら無理だわ」
『え、野薔薇ちゃん達も同じのやってるって……』
「俺らがやってるのは先輩方と手合わせ程度ですよ、五条先生から指導受けることは早々ないです」
「どんな訓練してたん？だいぶボロボロだけど…」
話が違うぞ、そんな視線を横に立つ五条先生に向けながら今までの特訓内容を事細かに説明していく。するとみるみる顔を青くする一年ズ。これは私騙されてそうだなぁ
彼らいわく呪具を剥き出しのまま特訓に用いることは無く、あったとしても擬似的なものを使った特訓しかしたことないとの事。というか五条先生直々に特訓なんて今まで受けたことが無いらしい
『これはどう言うことですかね』
「急ピッチだから仕方ないね！」
ゆらりと体の向きを五条先生に向けて引き攣る頬を隠しもせずに問い詰めると、あっけらかんと一言。
どこか開き直った様子で満面の笑みを浮かべるこの教師
そのお高そうなサングラスをかち割ってやりたい、そんな衝動を押し堪えながら大きなため息をついた。任務をこなしていくうちにいつの間にか自分も、普通との境界線があやふやになってきているのかも知れない
いつの間にかこの世界に染まりつつある自分に嫌気がする。そんな考えを遮断させるかのように二十分が経過したことを伝えるタイマーが軽快な音を立てた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どどまる(プロフ) - 🍞さん» ありがとうございます✨スローペースの更新にはなると思いますが、楽しんで頂けるよう励みます🙌 (10月12日 19時) (
レス) id: c4fbd224fc (このIDを非表示/違反報告)
🍞 - めちゃくちゃ面白いです！！ これからも頑張ってください！！！ (9月26日 16時) (レス) id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どどまる | 作成日時：2023年9月12日 5時
