一般人と似たもの同士 ページ48
『私もう一般人じゃないって事なのかな、こんな体になっちゃったし』
ふと外の景色を眺めながらそんなことを呟く。学校の敷地内とは思えないほど綺麗な和風建築は、何度観ても見慣れないものだ。
まぁ、少し前まで森の奥の小屋に住んでいたから当たり前なのだが
「……Aさんは呪術師が嫌い？」
『好きでは無いよね。命懸けすぎるし、私の場合デメリットがデカすぎた』
「んは、それはそう」
ケラケラと笑っている虎杖くんに視線を戻すと、綺麗な双眼が私を射抜いた。窓際の席だからだろうか、日に照らされて微かに色付いた頬が印象的だ。
「俺さ、Aさんが呪術師辞めたらって考えたら…やっぱ寂しい」
ポツリと独り言のようにこぼした言葉は、静かな教室で目の前に座る私には簡単に届いてしまう。言葉の意図が読めずにぽかんと彼を見つめると、少し照れた様子で続ける。
「Aさんが俺と似たような理由でココに来たって知った時、勝手に親近感覚えちゃってさ。ほら、お互い元一般人っていうか…呪術師なんて存在知らないくらいには無知だったじゃん？」
「なんだろ…気心知れた存在っていうか、呪術師とか宿儺の器とかじゃない、ただの虎杖悠仁として接せる存在…？が居なくなっちゃうのは、なんつーか……嫌だ」
互いの視線がぶつかったまま、淡々と言葉を紡いでいく虎杖くん。そこまで思ってくれていたのは嬉しいが、私以外にもただの虎杖悠仁として接することが出来る人はいただろう。同級生の二人はもちろんの事、硝子さん達だって……と、ここまで考えてはたと止まる。
確かに似たような時期に高専に入ったのは私たち二人だけ。それに加えて彼らとは違って後天的に呪力のあるモノを取り込んでいる訳だから、この中で一番似たような境遇なのは紛れもない私たち二人だけ。
困ったように眉を下げて笑う姿に、思わず息を飲む。
「ごめん、やっぱ聞かんかった事にして！俺のせいでAさん引き止めるのも違うもんな！」
『虎杖くん、案外可愛いところあるんだね……』
「ちょっと！？俺結構真面目なんだけど！！？」
カラカラとこの空気を飛ばすように笑ってみせる。虎杖くんに引き止められるとは思ってもいなかったから、少しだけ揺らいでしまった気持ちを整理する。
一般人に戻れば、ここでの出会いは全て無かったことになる。それに加えて、上の爺共にバレたら呪術師としても活動することは出来なくなる。完全に封印されると言うとことだ。
一般人なのに…封印されるなんてふざけた話だ
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どどまる(プロフ) - るあさん» コメントありがとうございます。嬉しくて偽夏油様早めに絡ませました……。これからも楽しく読んでいただけたら幸いです。 (2023年3月21日 8時) (
レス) id: c4fbd224fc (このIDを非表示/違反報告)
るあ - 面白すぎて、一気読みしてしまいました…偽夏油に毒舌で絡ませて欲しいです（（ (2023年3月20日 0時) (レス) @page34 id: feef9f3ea4 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉桜 - 五条悟との絡み増やして欲しいです…！応援してます！ (2022年4月8日 1時) (レス) @page30 id: a7a0d282bf (このIDを非表示/違反報告)
どどまる(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます。オチにつきましては色んな方の希望があると思うので、今のところ決めていません…！完結が近づいてきましたらアンケートを取ろうと思ってます。応援ありがとうございます!!!! (2021年1月28日 0時) (レス) id: afd23be113 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - とどまるさん初めまして、この小説は五条悟オチがいいです。お願いします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月27日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どどまる | 作成日時：2020年12月21日 13時
