封印された一般人【呪術廻戦】

一般人と保護対象 ページ42

『保護というか飼い殺しじゃないですか』
「あは、たしかに」


結局大人二人相手に私が勝てるはずもなく、話は進展もせずに終わってしまった。これが大人のやることか！
会議室のような場所を出て、小屋に続く道を五条先生と進む。途中で教室にいた2年生組や1年生の子達に生存していた事をネタばらししたのだが、野薔薇ちゃんからの突進は容赦がなかった。それだけ心配してくれて居たのだろうが、あまりの勢いに気圧されてしまったのは仕方ないだろう。


『私呪術師向いてないと思うんですよ、ただの一般人ですし』
「餓鬼に受肉された時点で一般人では無いけどね。自称一般人って事」
『自称一般人ってなんですか、自称高校教師のくせに』
「残念、僕はれっきとした高校教師だよ」


ダブルピースで腹立つ顔を向けてくるこの人が高校教師とは信じたくない。というかこんなちゃらんぽらんな人がよく高校教師になれたな、さては呪術師人不足だな？

そして私に受肉したと言われている餓鬼は、蔵掃除の時以来一切姿を現していない。意思疎通が図れなくなっているのが現状、それに比例するように私の食欲が旺盛になってきている。

学長曰く餓鬼は基本空腹が満たされないらしく、受肉されている私にもそれは適応されているらしい。はた迷惑な話だ、華のJKが呪いのせいで太るなんて言い訳として通用しなさすぎる。


『私生きてるのばらしたなら、小屋に戻る必要無くないですか？というか私いつ解放されるんですか』
「今のAは一部呪術師から討伐対象になってるからね、寮の方に居たらほかの呪術師と鉢合わせる事もあるから。暫くはこの小屋で過ごしてもらうよ」
『普通に生きてるだけで指名手配されてるの不条理すぎる』


慈悲の手を差し伸べてくれる神様なんて居なかったんだ。居たのは歪な呪霊という名の餓鬼だけ。
ぐったりと項垂れながら小屋へと続く道を進むと、ふと五条先生が口を開いた。


「僕ならA守る事もできるけどさ、それはきっと望んでないことなんでしょ？」
『私を一般人として、呪術師じゃなくても安全に暮らさせてくれるってなったら話は別ですよ』
「一般人ってなると僕ら呪術師との関わりはある様でないものだからね」
『縁切っても良いんで呪術師辞めさせてください』
「薄情者だね、呪術師の素質あるよ」


当に腹立つ言い回ししかできないのかこの教師は。薄情だろうがなんだろうが私は私が一番大事だ、誰かの為に生きるとかそう言うのは性にあわない性格をしているのでね。

呪術師に向いているとか、今の私には不名誉以外の何物でもない

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