一般人と後悔 ページ37
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久々の街は特別変わっている点もなく、本当に何一つ異変のないいつもの様子だった。まるで呪霊なんかが存在しないかのように、平和なのだ。
私だって呪術師という肩書き変えなければただの一般人だ。それに、高専に入るきっかけになってしまったあの黒い車……車？
『うわぁ〜……』
人通りの少ない道で、頭を抱えて蹲る。
元はと言えばあの怪しげな黒塗りの車に乗らなければこんな変なことに巻き込まれる心配もなかったんじゃないか？まずあの男の人たちはなんで私のことを封印だなんだと言ってあの蔵に押し込んできたんだ？というか私が今から警察に駆け込んで誘拐されそうになって逃げてきたと言えばあの二人訴えられるんじゃないだろうか？
とはいえ、嬉々として車に乗ってしまった私にも非はある訳で……。
過去の自分の行いに思わず頭を掻きむしってしまう。はたから見たら変人だろうがそんなことはどうだっていい。見られて恥ずかしいという感情より後悔の念が強すぎる。
ぐったりと蹲って大きなため息をひとつ。
『一般人に戻りたい……』
「A？なにしてんの」
懐かしい生意気な声に顔を上げると、制服を着崩してこちらを見下ろしている友人が居た。何故か酷く懐かしい気分になり、それと共に驚きの感情が押し寄せてくる。
元気にしていたか、学校はどうなってるか。聞きたいことは山ほどあるのに、思うように口に出せない。グルグルと色々な言葉が脳内を駆け巡っていく。目の前にいる友人に何か伝えようと、やっとの事で言葉を紡ぐ。
『腹減った』
「飯行くか」
様子のおかしい私を気にもせず、くるりと踵を返してファミレスへ行くぞと声をかける友人。そんな彼女の後ろ姿を見て、私もただの学生なんだと再確認させられた気分になる。
なんだか酷く胸が苦しいのは、こういった現実から離れたようなことばかりに巻き込まれていたせいだろう。
今だけはある程度の安全は保証された、平和な一般人だった頃に戻れた気がした。
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所変わってここはファミレス。
何も考えずに胃に素直に注文をしていく、それなりに注文したが食べ切れるだろうか。友人は学校を早退といって抜け出してきたらしい。どれだけ自由人なんだこいつは
「で、その高専って所に編入した訳だ」
『話の飲み込み早くて助かるよ』
「信じてないけどね」
『だろうね』
届いたポテトを口に運びながらだべっていると、ふと声をかけられる。
「あぁ、こんな所に居たんだね」
どこかで聞いたその声に、思わず背筋が凍った
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どどまる(プロフ) - るあさん» コメントありがとうございます。嬉しくて偽夏油様早めに絡ませました……。これからも楽しく読んでいただけたら幸いです。 (2023年3月21日 8時) (
レス) id: c4fbd224fc (このIDを非表示/違反報告)
るあ - 面白すぎて、一気読みしてしまいました…偽夏油に毒舌で絡ませて欲しいです（（ (2023年3月20日 0時) (レス) @page34 id: feef9f3ea4 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉桜 - 五条悟との絡み増やして欲しいです…！応援してます！ (2022年4月8日 1時) (レス) @page30 id: a7a0d282bf (このIDを非表示/違反報告)
どどまる(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます。オチにつきましては色んな方の希望があると思うので、今のところ決めていません…！完結が近づいてきましたらアンケートを取ろうと思ってます。応援ありがとうございます!!!! (2021年1月28日 0時) (レス) id: afd23be113 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - とどまるさん初めまして、この小説は五条悟オチがいいです。お願いします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月27日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どどまる | 作成日時：2020年12月21日 13時
