封印された一般人【呪術廻戦】

一般人と青春 ページ28

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昨日呪霊を祓ったお陰で、予定より早く任務が済んだので、今日は昼過ぎに目を覚ました。




ほんのちょっとの背徳感と、沢山寝たと言うのに襲ってくる睡魔





私は久しぶりに母校周辺を探索がてらサボってやろうと考えていた。明らかに報告と違った呪霊を祓ったんだ、見返りがあって当然だろう。補助監督さんも流石に黙認してくれるだろうと、淡い期待を胸に街に繰り出した






フラフラと通学路から見える路地裏や住宅街を歩く。時折野良猫が寝ていたり、なんとも平和な風景が広がっていた。






『この辺に自販機ないかな、喉乾いた』






周りを見渡すと、目の前からズボンを掲げてすごいスピードで走り抜ける虎杖くん。そしてしばらくした後に下半身下着姿の汗だくおじさんが走ってきた






｢随分と珍妙な人間が居るのだな｣






ずるりと音を立てて現れた餓鬼は、口元しか見えないものの、きょとんとした雰囲気でおじさんが走り去った道を眺める。人間からしたら呪いの方が不思議な話なのに、呪霊には生きた人間の方がおかしく見えるのか





『私でもあのタイプの変質者を見るのは初めてだよ、後で通報しとこうかな』






虎杖くんは別の任務でこの辺に来ていると考えるけど、なんでおじさんのズボン掲げて走ってたんだろう。そういう特殊任務でもあるのかな。呪術師って割と変な任務も混ざってるんだね……




後輩の奇妙な行動に一抹の不安を抱きつつ、住宅街を進む。後輩の行く末が心配である







住宅街を抜け、橋を渡り土手に立つ。休憩がてらその場にしゃがみ込み一息つく。キラキラと陽の光が反射する川の水と、魚のような影






虎杖｢あーっ！Aさんじゃん！｣




後ろから聞きなれた声で声をかけられ、思わず後ろを振り返る。そこには声の主である虎杖くんと、少し大人しげな雰囲気の子がいた




『虎杖くん、急に驚かせないでくれるかな？』


虎杖｢ごめんごめん！Aさんはもうアレ終わった感じ？｣





アレってなんだ？



"任務"のことかな。隣にいるのが一般人だから素性をバレないようにしてるのね。納得



『終わったよ。そちらは虎杖くんのお友達？』



吉野｢あ、いや…｣


虎杖｢そこで知り合った！｣





相変わらずコミュ力がカンストしている虎杖くん。じゃあ私はお邪魔かなと思い、すっと立ち上がる






『んじゃ、私はそろそろ行こうかな』





虎杖｢せっかくだし先輩も一緒に話そうぜ!!｣

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