一般人と仮想呪霊 ページ26
「ｲﾀ…いよｫ…」
ギシギシと軋む床板に、鮮血が滴る。帳を下ろしてからどれくらい時間が経っただろうか、体はすでに満身創痍で、使いこなせて居ない呪具すら鉛のように重く感じる。
『痛いのは私だっつうの…』
呪霊は癇癪を起こした子供のように床に張り付き、真っ黒な瞳でこちらを見つめてくる。気持ち悪い
餓鬼はカラカラと笑って手を貸そうとはしてくれない。この腐れ外道め……
ここまで形を成して言葉を発する事ができるという事は、それほど噂が根強く広まったせいだろう。厄介な話だ…。私も前まではなんとも思わないまま、ペラペラと話していたもんだ…
呑気に思考を巡らせていると、突如視界が点滅し壁が破壊される音。そして遅れてやってきた激痛に意識が薄くなる。酸素…酸素も足りないし、血も足りない…。こんなに痛いならいっそ殺して欲しい。でもまだコイツ殴り足りない。
口から胃液と血液の混ざった液体を吐き出す。視界は霞んで手足に力も入らない。
痛みに耐えられず涙も出てきた。ずるずると壁に背を預けながら目の前の呪霊にガンを飛ばす
「A、助けて欲しいか？」
『どうせ助ける気なんて無いんだろ…』
「よく分かっているではないか」
ニタニタと三日月型に歪められた口隠す素振りも見せない餓鬼
目の前の呪霊はギリギリと歯を擦り合わせて不快な音を立てて立ち上がり、私たち目掛けて飛びかかってきた。突然の出来事に握りしめていた呪具を咄嗟に投げつける。真っ直ぐ投げられた呪具は、呪霊の喉元に刺さり生暖かくて、腐臭と粘り気のある血が顔にかかった…汚ねぇ
すると隣にいたはずの餓鬼が、大きな口を開けてその呪霊を食べた。
「は…、？」
余りにもあっさりと食べてしまうから、今まで私が体張って傷だらけになって戦っていたのがバカらしく感じた。バキボキと音を立てて、時折呪霊の悲鳴が漏れ出る音を聞きながら目の前の餓鬼を睨みつける
『このクソ餓鬼…！！！食えるんだったら最初から食えよ！！！！』
「何もかも他力本願だから成長しない、それでは意味がなかろう？」
ケラケラと笑いながら呪霊を飲み込むと、また口の中に飛び込んでくる。餓鬼が体内に入った瞬間、極度の空腹感と、今までの疲労や激痛が体を襲ってくる
余りの痛みに思わず涙が溢れ出る。痛みに身体を丸くして泣いていると、段々と視界が暗くなっていった
あぁ……腹が減った…
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どどまる(プロフ) - るあさん» コメントありがとうございます。嬉しくて偽夏油様早めに絡ませました……。これからも楽しく読んでいただけたら幸いです。 (2023年3月21日 8時) (
レス) id: c4fbd224fc (このIDを非表示/違反報告)
るあ - 面白すぎて、一気読みしてしまいました…偽夏油に毒舌で絡ませて欲しいです（（ (2023年3月20日 0時) (レス) @page34 id: feef9f3ea4 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉桜 - 五条悟との絡み増やして欲しいです…！応援してます！ (2022年4月8日 1時) (レス) @page30 id: a7a0d282bf (このIDを非表示/違反報告)
どどまる(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます。オチにつきましては色んな方の希望があると思うので、今のところ決めていません…！完結が近づいてきましたらアンケートを取ろうと思ってます。応援ありがとうございます!!!! (2021年1月28日 0時) (レス) id: afd23be113 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - とどまるさん初めまして、この小説は五条悟オチがいいです。お願いします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月27日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どどまる | 作成日時：2020年12月21日 13時
