週一のお客様 (ページ20)

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“このお店、好きなんだよね”

見たことのないお洒落なメニュー。なんて読むの、これ…わぁ、こっちのケーキおいしそう！あ、こっちのメロンも！！
木村ﾎﾞｿｯ「やっぱり可愛い」
『え？』
店に流れる音楽で木村さんの声が聞こえなかった。何て言ったのかな、、、
木村「ううん、何でもないよ。それより何食べたい？」
『そうですね…』
とは言っても、こんなお洒落なお店来たことないし、どれを頼んでいいのかわからない。
『え、っと、じゃあ木村さんのおすすめがいいです』
木村「俺の？いいの？」
『はい！』

「お待たせしました」
ウェイトレスさんが運んできたのは、もくもく湯気を立てるおいしそうなパスタ。
『いただきます！』
木村「うん、いただきまーす」
マスクを外した木村さんは、イベントで見た顔と同じ。コンビニくる木村さんは、声優の木村さん。え、うん。

間違いないよ、
え、うん。混乱してるのに何故か妙に落ち着いている頭の中には怒っている志帆が浮かんだ。あーあこれ、志帆が知ったらやばいよね。そんなことを思いながら、パスタを口に運ぶ。
『お、おいしい、おいしいです！！木村さん！！』
すっごくおいしい！なんて言うのかわからないけど、止まらないおいしさ。
木村「フフｯ良かった」

声優の木村さんだったとしても、私にとっては“木村さん”その事実は変わらない。でも、志帆にはしばらく黙っておこう。ごめん、志帆。