続き ページ40
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shaside
俺の先ほどの独り言を、少し強調するように言ったゾム。
それに気を取られていたが、その内容も俺の悩んでいた事とぴったり一致していて彼の言いたいことがすんなりと入っていくような感覚があった。
俺の表情を見てか、少し安心したように一瞬目を細め彼は続ける。
「でも、あれこれ考えていく内になんか俺なりに納得した答えがあったから。」
自分の早鐘に思わず、「黙れ」と心の中で己自身に悪態をついた。
近頃、こんなに緊張したことがあっただろうか?
これも全部こいつのせいだ、と考えると少し恨めしくも思うけれど、それさえも許してしまう俺は彼にすっかり絆されているのだろう。
「シャオロンの事信じてるから言うで。」
前置きのように彼は一つ挟み、ずっと俺から避けていた視線を唐突にこちらへ向けた。
いきなりのことにどうしようも出来ず俺も、彼から視線を離せなくなる。
すぅ、と小さく彼が息を吸った音が静かな部屋に響いて、この時ばかりは自分の音も気にならなかった。
「…すき、なんやと思う。シャオロンの事が。…あ、いやそのな、もちろん友人としては当然なんやけど、違う、意味で。」
一言一言、丁寧に言葉を紡いだ彼。
「え…、う、えっと…。」
ゾムの言いたいことも分かるし、俺だって言いたいことがある。
色々、全部、伝えたいのに。
「すまんな、なんか混乱させてしまったかもしれへんわ。」
照れくさそうに、そして、心苦しそうに。そんな表情が似合わず切なげで、ゾムはそんな顔しなくてええ、と言いたいのになぜだか言葉が出てこず、寸前で喉につっかえてしまう。
それは多分恥ずかしさでも、彼への申し訳なさでもない。
まだ動揺している自分がきっといるからだろう。
心臓が締め付けられるように痛くて、思わず胸を抑えた。少し呼吸に余裕がなくなり深呼吸しようとしても、それはうまくいかない。
「…急よな。忘れてくれてええから。」
ままならない呼吸を少し整え、胸を抑えていた手をそのまま縋るように立ち上がろうとしていた彼の袖に移す。
いきなり掴まれたからか体勢を崩した彼だが、少し驚いたような表情で俺を見た後もう一度俺の隣に座り直した。
「まって、まってやゾム。混乱は…確かにちょっとはしたかも知れへんけど…謝ることない。」
寧ろ遅すぎたくらいや、と自分から言おうともしなかった癖に思った。
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時