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今まで僕が考えていた、彼のために離れないといけないだとか、僕は彼に相応じゃないだとか、そんなのも結局自分の自己満足で、彼の気持ちを考えてるつもりになってただけなんだと今更ながらに思い出した。
「俺は、なんであれ大先生と一緒がええねん。全てをひっくるめて、大先生が大好きでそれ以外の何物でもないんや。」
初めて見た、彼の涙。
強気な彼が見せた弱い部分。
未だ心が揺れ動く僕の中で、その要因が僕だという事と、やはり離れたほうがいいんじゃないかという元々の気持ちが重なり合って何も言えなかった。
「な…、だからもう一回答え聞かせて。」
「大好きや、大先生」
目の前でその言葉を言った彼に、記憶がフラッシュバックする。
あれは、もう過去。
たった数時間前の今朝。
「どうな、ん?」
という彼の言葉に対し言った言葉。
悩んだ挙げ句、一番僕らしく、切り捨てた、あの時。
「…え、シャオちゃん。これ、荒手のドッキリかなんかか?」
目を見開いて、信じられないものを見るような顔に、その時僕は当然だと思った。
本気で告白していたのを軽く馬鹿にしたような言葉だったし、そうなることを見込んで僕が言ったからだ。
でも、今考えるともしかしたらその驚きは僕の考えてることを全て踏まえた上での驚きだったのかも知れない。
なんでそんなこと考えてるんや、って。
分かりやすいと言われることはよくあるが、
まさか、彼にも気づかれているとは。
もしかしたら彼だからこそ、気づいたのかも知れないけれど。
ハッと我に返ると待ちくたびれたというように眉を上げて待っている彼がいた。
さっきの記憶とは違う、少し表情が柔らかい彼が。
「シャオロン。ほんまに、ええんか?」
最後の確認というかのように、彼に尋ねてみれば、「ええも何もないやろ、」と返された。
今度の彼の目には不安は一抹も無かった。
いつのまにか彼は笑っていて、その黄色い瞳は、はよ言え、と俺を急かしているようにも感じる。
おかしい。告られたことも、告ったこともあるはずの僕なのになんと言えばいいか出てこない。
どうやって返事をすればいいのか、どうやったら彼を喜ばせられるか。
分からない。
結局、僕は悩んだ挙げ句こう言った。
「Yes、って言ったらどうする?」
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時