ドラマティックなLIFE【ヒプノシスマイク】

三人で飲む酒は… ページ3

「お待たせいたしました…

我が麗しき友たちよ」


しばらくするとカクテルの材料を持った一二三が戻ってきた

そしてAの前に片膝立ちすると、手際よくカクテルを作り始める


「(こいつのスーツ着てるときはまじで紳士だな…くそ)」


俺には出来ないような仕草、やっぱこいつもこういうやつが好みなのか……？

まあそもそも…俺みたいな陰険で根暗なやつ好きってやつは神経疑うけど


「あれあれ、ひふみまた腕上げた？」

一二三の手さばきをじっと見ていたAが、おおっと感心した表情で言った


「ありがとうございます、プリンセス

それはきっと貴女が愛に満ちた熱い視線を注いで下さるから、いつもより上手く作れているのですよ…」

一二三はそう呟き、作る手を止めこいつの左手をすくい上げ……キスを落とした…


「(っ…おまえ〜〜っ！！)」


「えっ！あははっ今のセリフすっごくくさい！」


当のこいつは照れるでもなくあははと笑い飛ばしている


「さあ、出来ました

それじゃあ…乾杯しましょうか」


いつの間にか3人分のカクテルがテーブルに置かれている

俺は、俺の目の前に置かれた透き通った青いカクテルを持ち、ふたりとグラスを掲げる


「っ…っ…はぁ…うま…」


やっぱり仕事終わりの酒はうまい

こんなとこじゃなかったらビールをジョッキで飲み干したいところだけど…まあ今日はこれでいい

こいつらと飲む酒は一段と………いや、普通だな
同僚とか上司と飲みに行くと全然うまくないし、こいつらのは普通


「っ…ぁ〜おいしい！
やっぱり三人で飲むお酒は格段に美味しい！」


「っ！」

不覚にもびっくりしてAを見る

まさか俺が思ってたことをはずかしげもなく口に出すこいつをじとっと睨む


「そうですね！こうして昔ながらの友と飲むお酒はまさに友情の愛の美酒…」


「(お前とは違う)」


「友情の愛の美酒ってなんぞよ！ほんとこのひふみはすっごく面白い」

ピンク色のカクテルが入ったグラスを片手に笑うA

こいつの笑い声を聞いていたら何故か自然と俺も口元が緩む

普段見ることが出来ない一二三のキリッとした表情も相まって笑えてくる


これも全部酒のせいか……

まあこんな愉快な日があっても…バチは当たらないはず…



あー…もしかしてこういう時間を世間では『充実した時間』と言うのだろうか…

イケメン→←ホスト、なう。

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