ドラマティックなLIFE【ヒプノシスマイク】

噂の ページ15

「……この女を探してほしいと、」


あたりが闇に包まれつつある頃、俺は3人の似たような顔と対面していた


「ええ、仕事で厄介な案件を受けてしまってですね…不本意ながら、依頼しに来ました」

「っ、不本意ながらって…いちいち腹立つ言い方…一兄に頼みに来たなら頭の1つ…いや、土下座したらどうなの？？」


山田一郎の右側に控えていた三男が目の前のテーブルをバンと叩き、前のめりで挑発してきた

「おい三郎、関係はどうであれ今は客だぞ。大人しくしてろ」

「ぅ…分かったよ一兄…」

「ばぁーか」

山田一郎の一声に素直に大人しくなる三男に、小声で馬鹿と言う二男

「っ、二郎は一生黙っとけよ！」

「はぁ？ふざけんなお前が黙っとけ！」


「はあ、ったくお前らは……

喧しくてすまない、で…人探しか」


「…ええ。なるべく早くこの女の素性と居所を突き止めて頂きたい
もちろん謝礼も弾みますよ」


「……女の情報は見た目と出没場所だけか…、」


山田一郎は俺が渡した記録書を見ながら考えているようだ

そして二男と三男は記録書を覗き込む

「…お前らは何か分かるか？」

山田一郎が二人に問いかけると二男が口を開いた


「…その女かは分かんないけど、たしか何とかの蝶って呼ばれてる風俗女とか噂で聞いたよ」

「それは本当か」

「あくまで噂程度だけど…」

「なるほどな…まあ今はそれくらいしか情報がないし……とりあえずその噂の女を中心に調査してみよう」

「そうですか、それでは何か分かったら私の方に連絡してください」

「ああ」


「よろしくお願いしますね。
では、失礼します」


挨拶も早々に切り上げて、背中に視線を感じながら部屋を後にした。



Side END…




**
噂の呼び名…ネーミングセンスねえなと内心思っていた銃兎さんでした。

夏の思い出→←面倒臭い案件

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す