＊43【愛されていた証拠】 ページ46
「私が…お母さんを、殺したの」
過去の記憶を鮮明に思い出して涙が溢れて止まらない。
樹には、幼い子供が親の愛を求めるような、そんな悲しい表情に見えた。
「私が、生まれなけれ---」
「そんなこと言っちゃだめだ！」
あかりの言葉を絶つように、樹はあかりの肩を掴んだ。
「あかりは何も悪くない」
「でも…」
「あかりは、お母さんとの約束を守ったんだ、しっかりと。『生まれてきてくれてありがとう』。この言葉が愛されていた証拠じゃない？」
「…」
「今までよく頑張ってきたよ。あかりは偉い」
「…ッ！」
驚きのあまり目を見開いた。
偉い。頑張ってきた。
そんな言葉、お母さん以外に言われたことがあっただろうか。
「ありがとう、樹」
「うん。これからは、もっと俺たちを頼ってほしい」
樹の瞳があかりを優しく見つめる。
…嘘じゃないだろうか、と少し不安になった。
引き取られた家では、平気で嘘をつき、裏切る人た達の中で暮らしてきたから。
でも、樹はあの人達とは違う。
本当に頼ってほしいと思ってくれているんだと、目を見れば分かった。
その時
コツ…コツ…と足音が聞こえてきた。
「誰の足音…？」
「しっ…声出すな」
足音は確実に此方に向かってくる。
あかりと樹は咄嗟に物陰に隠れた。
樹を見ると、床に転がっていた鉄パイプを持っている。
「まさかそれで戦う気？」
「松だったら気絶させて逃げる」
小声でそんな会話をしている間にも足音は近づいてくる。
物陰からそっと覗いてみると、ちらりと黒いマントが見えた。
「ちょと、待って」
「今だっ！」
あかりの静止も聞かず、樹は物陰から飛び出した。
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ぺぽん(プロフ) - 翠さん» ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです☺️ (8月25日 1時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - イベント参加ありがとうございますっ！すごく面白く、サクサクよめてしまいました。フォローと評価失礼します。 (8月25日 0時) (レス) @page1 id: 61ad33c328 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - のあさん» ありがとうございます！もっと面白い作品が作れるように努力したいと思います💪 (6月18日 12時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - ぺぽんさん» イベント参加、改めてありがとうございます。評価・コメントをさせていただきました。作品に出てくる、登場人物はみんな素敵でとても面白かったです。あと26票で殿堂入り…！！頑張ってください！ (6月18日 12時) (レス) id: ed5fd984f6 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - のあさん» 読んでもらえるだけでもありがたいです！少しでも面白いと思ってもらえたら幸いです。 (6月18日 11時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぽん | 作成日時：2021年4月30日 15時
