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*32【違和感】 ページ34

「またね〜」



分かれ道に来て皆に手を振る。



ここからは死神さんと二人だ。



オレンジ色に染まる道に二人の足音だけが規則正しく聞こえている。



会話が無くてなんか不安だな...。



ちらりと隣を見ると、白のスウェットにジーパン姿の死神さんがポケットに手を入れて歩いている。



いつもなら子供っぽい無邪気な笑顔で話しかけてくるのに、今日は不思議と静かだ。



俯いて歩いてるのに、その瞳はどこか遠くを見ているようで。



「...死神さん、大丈夫?」



心配で声をかけた。



「...あかり」



死神さんは足を止めると私の名前を呼ぶ。



「何?」



答えても返事はない。



すると私の方を見て、まっすぐ近づいてきた。でも距離が縮まってくるのに止まる素振りを見せない。



近づいてくる青い瞳をなぜか怖く感じて俯くと、すぐに体が暖かく包まれた。




「ちょっ、死神さん!?」




その理由は、死神さんが私を抱きしめているからだと気づくのに少しばかり時間がかかった。



「は、離して!」



こんなこと初めてで恥ずかしすぎる。
離してほしくて死神さんの胸あたりを押してるのにびくともしない。



「やだ、離したくない。」



「...今日の死神さんなんか変だよ、何かあった?」


 
恐る恐る聞いてみる。



「...あかりを、殺したくない」



少し間があいて呟かれた言葉は、とても小さくて、苦しそうで。



どうして...死神さんは私を殺すために来たんでしょ?



ただただ疑問だった。
死神は、死期が迫ってる人間を殺すのが役目。



か弱い人間のことなんて、なんとも思ってないはずじゃないの?

*33【ボスの手下】→←*31【暖かい】



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設定タグ:オリジナル , 死神 , 名前変更なし   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ぺぽん(プロフ) - 翠さん» ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです☺️ (8月25日 1時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - イベント参加ありがとうございますっ!すごく面白く、サクサクよめてしまいました。フォローと評価失礼します。 (8月25日 0時) (レス) @page1 id: 61ad33c328 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - のあさん» ありがとうございます!もっと面白い作品が作れるように努力したいと思います💪 (6月18日 12時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - ぺぽんさん» イベント参加、改めてありがとうございます。評価・コメントをさせていただきました。作品に出てくる、登場人物はみんな素敵でとても面白かったです。あと26票で殿堂入り…!!頑張ってください! (6月18日 12時) (レス) id: ed5fd984f6 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - のあさん» 読んでもらえるだけでもありがたいです!少しでも面白いと思ってもらえたら幸いです。 (6月18日 11時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぺぽん | 作成日時:2021年4月30日 15時

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