【オリジナル】死神は私を殺せないそうです

＊14【ぶつかった相手】 ページ15

「いってぇ...。おまえ何すんだよ！」



「ご、ごめんなさい...」



最悪だ。



死神さんに背中を押されてバランスを崩した私は、ちょうど前にいた男の子とぶつかった。



しかも相手は金髪だし、ピアスつけてるし、口悪いし、俺ヤンキーですけど何か？って感じの子。



運が悪い。



「学校１強い俺にぶつかってくるなんていい度胸じゃねぇか。あぁ？」



その一言で教室が静まり返った。
と言うより、ザワザワし始めた。



男の子は目の前でしゃがむと、床に座り込んで動けずに下を向いている私の顔を覗きこんでくる。



怖い、、怖い。



初日から目をつけられた。



また前の学校の時みたいに、いじられるのかな、虐められるのかな...



なんか視界がぼやけてきた。



泣きたい...



「ちょっと瑛斗(えいと)！転入初日の子にその言い方は無いでしょ！」



涙が溢れそうになったその時、クラスの一人が声をあげた。



「あ？うっせぇな...」



「金藤あかりちゃん、だよね。大丈夫？」



優しいく明るい声に救われて顔をあげると、女の子が私に手を差しのべていた。



綺麗な黒髪のストレートを後ろで束ねていて、何よりこの優しい笑顔。



私が自己紹介した時、一番最初に拍手をしてくれた子だ。



皆の注目の的になっている恐怖と、庇ってくれる子がいた安心感とで私は泣いてしまった。




「瑛斗のせいだよ？」
　


「ち、違う！俺はそんなつもりで言ったんじゃねぇ！」



金髪の男の子は瑛斗というらしい。
女の子の言葉に全力で否定している。



「あかりちゃん、とりあえず教室出ようか！」



私は戸惑いながらも女の子の手をとった。

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