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Rook Hunt side

きらきら、と光が舞って、ハートの女王の石像が元に戻った。

いつ見ても綺麗だ、とその光を目で追う。
彼が魔法を使った時に広がる光は他の者とは明らかに異なっていた。

普通は白く輝く光が弾けるように広がるものだが、鯱の君(ロア・ドゥ・オルキ)が纏う光は黒く見える。
しかし確かにそれは光を放っていて、彼のマジカルペンを追うように輝いていた。
まるで魚影のように見えるその光は海の王者と呼ばれる彼によく似合う。


『うわ、ルーク?』

やっと私に気が付いた彼が軽く目を見開いて数歩後ろに下がった。

ああ、残念だ。
もう少しだけ、間近でその美しい顔を見ていたかったのに。


「やぁ鯱の君(ロア・ドゥ・オルキ)
随分と熱中していたみたいだね。」

私はこんなに近くに居たのに!と大袈裟に言って、さり気なく開いてしまった距離を詰めた。



「こんなに気配に疎くなっては、すぐに狩られてしまうよ?」

ぐっと近付いた彼の首元に手を添えた。
まあ私が得意とするのは弓矢での狩りなんだけれどね。



微かに彼が息を吸ったのを感じて、視線を上げる。
彼と正面から目が合った、瞬間、柄にもなく体が強ばったのが分かった。


余裕そうな笑みを浮かべたその瞳。
薄く開いた口から見える鋭利な歯。





『…お前だって、安易に近づいちゃあいけないなぁ。
どっちが獲物かなんて、分からないだろ?』

がぶ、そんな緩い声とともに、屈み込んだ彼が私の首筋に噛み付くふりをして離れた。



なんてね、と冗談めかして笑う彼を前に、
ぞくぞくと興奮が駆け上がって、自然と口角が上がった。




ああ、これだから!

一見儚くも見えるその内には鋭い歯と獣の獰猛さや残虐性を孕んでいる。

彼の魅力は尽きることを知らない。



彼の真の姿を暴きたい。
きっと何よりも美しいに違いない!

込み上げてきた歓喜の笑いをこぼす。
狩人の血が騒いでしまうね!


意気込んで鯱の君(ロア・ドゥ・オルキ)に話しかけようとしたところで、彼の後ろから不機嫌そうな声が飛んできた。





「ちょっと、アタシを忘れてない?」

『ヴィル。』


毒の君(ロア・ドゥ・ポアゾン)を振り返った事によって自分から外れてしまった視線を少しだけ惜しく思った。

…→←…



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Q-02 - 描写が細かくて、読みごたえがあって、本当にこの作品が好きです...。 最近の生きがいですありがとうございます。 お体に気を付けて、更新頑張ってください! (2020年7月18日 10時) (レス) id: ada86e6bec (このIDを非表示/違反報告)
きらり(プロフ) - ぐへへ描写が分かりやすくて神ってまするるるる()毎回楽しみに見てます。頑張ってください! (2020年6月8日 16時) (レス) id: 6563db8e4a (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - 好きですめっっちゃ好きです(語彙力)続きを楽しみにしてます!!!! (2020年5月28日 6時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
- コメント失礼します!性癖ど真ん中に刺さりました...。好きです!!!更新楽しみに待ってます。 (2020年5月21日 14時) (レス) id: 7f8beb23ed (このIDを非表示/違反報告)
酢昆布たゃん(プロフ) - 好きが液状化して全身の穴という穴から吹き出そうなくらい好きです。とんでもなく好きです。更新超楽しみにしてます。頑張ってください (2020年5月19日 1時) (レス) id: d836fbb346 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒蓮 | 作成日時:2020年4月28日 5時

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