memories__① (ページ20)

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廊下に出るとちょうど卓球部も休憩に入ったようで麻衣と桃子がそわそわしていた。

軽音部の部室のある廊下の突き当たりが卓球場で、廊下に出ると卓球場の様子が丸わかりというわけだ。

トイレや水飲み場に行くためには軽音部の部室の前を通らないといけないので、卓球部員の大平くんと汐恩くん推しの2人にとって卓球部の休憩時間は最高の時間だった。

麻衣「別れた理由はなんとなく分かるけど、雰囲気イケメンって何？！」

私の話が気になるのかと思えば視線は卓球場に向いている麻衣に呆れながらも、今いい感じだということをそれとなく伝えた。

麻衣「何それ夏休みエンジョイしてんじゃん私が日本にいない間に！！！」

桃子「あ、このお土産のお菓子美味しい〜」

『一口ちょうだい！』

麻衣「ちょっと話聞いてる？！」

『あ。』

ちょうどそのタイミングで大平くんと汐恩くんが卓球場から出てきた。

さっきまであれだけ騒いでいた麻衣も急に大人しくなり、もらったお菓子をバクバク食べていた桃子も急に食べるのをやめる。

代わりにポケットから手鏡とくしを取り出して、髪を直し始めた。

あからさますぎる2人の行動を横目にスマホを見ると、LINEが来ていた。