62. ◎ ページ12
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「わぁ〜！」と窓から見える夕日に
感動するAが
どことなく愛おしくて 後ろから抱き締める。
付き合ってから 何回も何回もハグしてきたけど
毎回良い匂いがする。
今まで匂ったことないような 安心する匂い。
『いい匂いがする』
A『え、いや、絶対そんなことない』
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いい匂い って言ってるのに
彼女は毎回「違う」と拒む。
そんなAが可愛くて つい抱き締める力が
一層強くなる。
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『ねえ、ほんとに東京行っちゃうの？』
抱き締めた彼女は、寂しそうなトーンで
ぽつり、と言葉を発した。
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俺が福岡にいれば
必然的にAとも一緒に居られる。
それでも俺は 遠距離恋愛をする、という
選択をしてまで ダンスを続けたかった。
ずっとやってきたダンスを仕事にしたかった。
だからこそ Aが期待してる言葉はかけられなくて
『…うん』と答える。
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すると 抱き締める腕に ぽつり ぽつり、と
Aの涙が零れてくる。
前にも同じ内容でAを泣かせた。
悲しくて泣くAを見るのは 俺も辛くて
どうにか話し合って わかってもらいたくて、
『こっち向いて、』
A『やだ、泣いてるとこ見られたくない』
『じゃあ見らんけん 話だけさせて？』
A『……わかった。』
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俺は 泣いて今にも消えてしまいそうな
Aの右手をそっと握りしめて 、
『東京に行っても Aに会いに福岡に帰ってくるし
Aが東京に来たら泊めるし……』
そう伝える。
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けど そう言っているうちに 本当にあと数ヶ月で
離れ離れになってしまうんだ、と
やっと実感した。
正直凄く寂しかった。
泣き虫な俺だけど Aの前では泣きたくなかった。
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けど 涙腺に歯止めはきかなかった。
彼女はずっとこんな気持ちだったんだろうな、
そんなことを思っていると 気付けば自分の頬に
涙が伝っていた。
『…いかんいかん、』
熱くなる目頭を抑え、涙を必死に止める。
Aも無言で俺の手を握り ただ床にぽろぽろと
涙を落としていた。
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ようやく涙も止まり落ち着いた頃 、
A『ねえ、蓮』
『ん？』
A『だいすき。』
彼女は不意に愛情表現をしてくる。
本当にずるい。世界一可愛い。
こんなにもずるくて可愛い彼女を目の前にして
理性を保ちながら軽くキスをする。
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夕日に照らされる彼女は誰よりも綺麗で
多分それを見た俺は顔が真っ赤だった気がする。
夕日で顔の赤さが掻き消されることだけを願った。
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^^(プロフ) - コメント失礼致します！お話最高です🤦♀️続き待ってます (2022年6月16日 7時) (
レス) @page37 id: feebfdcf28 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅるぼ(プロフ) - 初コメ失礼します！久々の更新めちゃくちゃ嬉しいです！大変だとは思いますが作者様のペースで頑張ってください！ (2021年9月3日 23時) (レス) id: f73fdc9b1f (このIDを非表示/違反報告)
さもん(プロフ) - このお話大好きで前作から読ませていただいてます＾＾ 蓮くんっぽい…！更新楽しみにしてます！ (2021年7月6日 22時) (レス) id: 7afefd35cd (このIDを非表示/違反報告)
萌萌 - 続編おめでとうございます！一話からもどかしさに悶え散らかしながら一気に読ませていただきました……博多弁の蓮くんが最高すぎます；；今後も更新楽しみにしています！！ (2021年6月5日 22時) (レス) id: 474e5b913e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：as | 作成日時：2021年6月3日 21時
