34、偽物少女の目的は ページ35
振り返ったAは不気味な笑みを浮かべていた。
その只ならぬ気配に、谷崎と与謝野は探偵社の入り口を塞ぐ。
「あーあ、バレちゃった」
美しい顔から滲み出る狂気に誰かが息を呑む。
Aはクスクスと愉快そうに笑いながら金色の髪をふわりと揺らす。
「折角騙せたと思ってたのに。やっぱり世界一の名探偵には敵わないなぁ」
緑色のワンピースを着て、くるりと楽しそうに回る少女。
顔や声こそ同じだが、本物のAでないことは明らかだった。
乱歩はさらに鋭い瞳で少女を見つめる。
「もっと当てようか。
君のソレは姿を真似る異能かと思ったけど、違う。
______精神を操る異能だね」
少女は目を見開いた。
しかしそれは一瞬で、さらに笑みを深くする。
「あはっ、大当たり」
「……貴様、何が目的だ」
国木田が地に這うような低い声で問う。
「何って?
お前を殺すこと」
ゾッとするほど冷たい声で、恐ろしいほど淡々と少女は言った。
鏡花が咄嗟に短剣を握りしめる。
他の社員も、いつでも異能を発動させる事が出来るように警戒を強めた、が。
「あぁ、無駄だよ。
僕は今この子の精神を操って体を乗っ取っている。
もしこの子が死ねば、僕は元の体に戻れるけどこの子は死んじゃうから」
「なんだと!」
敦が声をあげる。
つまり、肉体は正真正銘Aのものであるため、社員達は手出し出来ない。
少女は平然と続ける。
「探偵社のご活躍は兼兼。
僕は別に、力のある貴方達と戦いたいわけじゃない」
少女はニコリと微笑む。
「国木田だけ殺せればいいんだ」
社員全員から尋常じゃない殺気が放たれる。
Aの体を乗っ取った挙げ句、国木田を殺すと言った人物に社員の怒りは爆発寸前だった。
178人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいたろー!(プロフ) - ぺぽんさん» わー!有難う御座います!この作品また見たいと思ってたので嬉しいですッ!! (1月24日 21時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - お相手の作品が削除されたことを確認しましたので、再び公開しようと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します。 (1月15日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» ゆいたろー!さん、申し訳ありません。悩んだ末、二章以降を非公開にすることを決めました。こちらを読んでくださる人もいることは重々承知していますが、このまま盗作され続けるのは嫌でした。 (1月10日 18時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - ゆいたろー!さん» 完結した後でも作品を読んでくれている方がいるのは、とても嬉しいです。作品を書き続ける活力になります。これからもこの作品をお楽しみください。他にも作品を投稿しているので、お時間があればそちらもぜひ。 (1月10日 17時) (レス) id: a5e819fb1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - いえいえ、お役に立てて光栄です。これからもこの小説楽しませていただきます (1月10日 17時) (レス) id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぺぽん | 作成日時:2022年5月7日 15時