屋敷の少女【文スト】 (ページ1)

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プロローグページ1

雨が降ってきた。
最悪だ。
ついさっき任務が終わり、雨が腕の血を流していく。
地味に傷口がしみる。

｢お、｣

ふと横を見ると大きな屋敷がある。
庭の手入れはしてなくて、所々ボロボロだ。
つーか横浜にこんな所あったんだなー…雨宿りでもすっか。
と、思い立ち、草だらけの庭に足を踏み入れた。

｢ﾁｯ、さみぃな…｣

ドアに手をかける。ドアはギイっと音がするだけで開かない。

｢鍵がかかってやがる…｣

仕方なくドアによしかかって雨が止むのを待とうと後ろを振り返ると

｢今このお屋敷に人いないから屋敷の中で雨宿りしよーと思ってたでしょ｣
｢!?｣

女が一人立っていた。
嘘だろ全く気配がなかった…。

｢ﾌﾌ、いいよ、入って
怪我もしてるみたいだしね｣
｢あ、と、すまん…｣
｢いいえー、さ、入って。外はこんなんだけど、中は綺麗だから。｣

彼女は傘を閉じ、屋敷のドアを開けて、こちらを見て微笑んだ。