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「あと俺思ったんよ。
Aが遅くなる時は俺が迎えに行けばいいって」
「え」
「だってそうしたら帰る時も一緒にいれて、あわよくば外食とかできるし。次の日が休みだったらお酒飲めるわけじゃん」
「それは、そうだけど」
でもそうしたら、また彼は私のために配信を休んだり時間を遅らせたりしなければいけなくなる。
百歩譲ってきなこくん本人はそれで良いとしても、きなこくんを推しているファンの人達を振り回すのは心が痛い。
「……A知らないかもしれんけど、恋人居るの公言してるから」
「え!?あ、え!?そうなの?」
「うん。だから配信出来なくても遅刻しても多少は許容してもらえる」
「……限度はあると思うけど」
「そこら辺は流石に弁えとるよ。でもAとの予定がある時は“この日は彼女と出かける”って伝えてるから」
「そう、なんだ……」
だからきなこくんは私のことを待てたり、優先したり出来たのか。なんて今更ながら納得して、私よりも幾分も高い位置にある彼の瞳を見つめれば、きなこくんはこちらの不安を払拭するようにもう一度抱きしめてきた。
「Aがいつもこうやって頑張ってるからこそ、俺も頑張ろうって思えるから……別れるとか変なこと考えんといて」
「……うん、ありがとう」
「よし、素直にお礼が言えてエラい」
「ペットだと思ってる?」
「いんや?可愛い彼女だと思ってるよ?」
言葉でも行動でも私のことを好きだってことを伝えてくれるきなこくんに包まれていると、少し前まで彼に別れを告げられてしまうなんて考えていたら自分が阿呆みたいに思えて、つい笑ってしまった。
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をとは - 素敵な作品を残してくださりありがとうございます。解釈一致きなこさんをよめてにこにこしました。作者様が好きなことを好きなように書き綴っていけるよう願ってます。 (2022年10月5日 1時) (レス) @page37 id: 899e992e13 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - ゆーちゃさん» コメントありがとうございます!これからも面白いお話が書けるよう更新頑張ります✊🏻✊🏻 (2021年12月16日 9時) (レス) id: f6c15978d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃ(プロフ) - どの話もとても素敵でキュンキュンしながら毎日見てます!いつも楽しみにしているので更新頑張ってください^ ^ (2021年12月15日 13時) (レス) id: 56456aa544 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - でこぽんさん» コメントありがとうございます!2話とも読んでいただけた上に喜んで貰えるとは…!色々悩みながら書いたところがあるのでそう言っていただけると本当に嬉しいです😭✨これからも頑張ります! (2021年12月15日 8時) (レス) id: f6c15978d2 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - コメント失礼します…うるかさんの作品あまり見ないので読めてとても嬉しいです(;;)-naki-様のうるかさんの作品、2話ともあまりにも最高でニヤニヤしてしまいました…どのお話も素敵すぎて読むのを楽しみにしてます!更新頑張ってください〜応援しております…! (2021年12月14日 17時) (レス) id: 72062e125f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2021年11月28日 22時