【CR】ゲ ー マ ー × カ レ シ【短編】

女の子の日×カレシ【Vanilla】 ページ14

◇






最悪だ、またこの日が来てしまった。
そう思いながら布団の中で丸まり、絶え間なく襲いかかる腹痛に耐え凌ぐ。

月に1回ご丁寧に私を痛めつけてくる女の子の日というものは本当に厄介で、その日1日の行動を制限してくるのみならず、私の精神にまで介入してきてこれでもかと心を弱くさせるからタチが悪い。本当に悪い。

なるべくベッドの端の方に移動し、隣でゆっくり寝ている彼の邪魔にならないようぐぐぐっと丸まって痛みに耐えしのごうとした私の後ろから、A?とまだ寝ぼけている彼の声。




｢どうしたん、体調悪い？」

｢……ごめん、起こした？」

｢いやたまたま起きただけ。お腹痛い？」

｢女の子の日で」

｢ああ、なるほど。」




バニもうそんな時期かと一言呟いてからありったけの毛布を私にかけてくれる。こんなにしなくてもいいのになんて思いつつも、目に見えるバニの優しさが嬉しくてそれを言う気にはならなかった。




｢薬はいつもんとこ？」

｢うん」

｢わかった。水もいるか、持ってくる」




寝起き早々彼女の体調に振り回されているというのに、嫌な顔ひとつせずに淡々と動いてくれるバニ。

薬と共に用意してくれた水も冷蔵庫に入っていたものじゃなくて、体を冷やさないようにと常温のものをくれた。




｢あとこれ、空きっ腹に薬はだめだからゼリーね。半分でもいいから食べて」

｢助かる……ありがとう……」

｢いいんよ。大変なのはAでしょ」




何も気にせず寝てな、と。
私の頭を撫でてくれるバニの手にそっと擦り寄れば、彼は一瞬固まった後なにも無かったかのように撫で続けてくれた。






▽

●→←●

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す