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二次会組の背中を見送ったその後、店先に残された私とだるまさん。
お互い二次会に行かなかったということはそのまま直帰しても問題ないだろうか、と思い「あの、」とだるまさんに声をかけた。
「今日はありがとうございました!お互い災難でしたけど、だるまさんと話してるの楽しかったです」
「いやいやいやそれは俺もなんでお礼とかいいっすよ!お互い楽しめたんならオールオッケーってことで」
と言って笑うだるまさん。
その拍子に付けていたピアスが煌めいて、しばらくの間ピアスをつけている男性を見たらだるまさんのことを重ねてしまいそうだなぁなんて馬鹿なことを考えていると、
なんの前触れもなく、彼の指が私の手の甲を撫でた。
「……だ、だるま、さん?」
「あの、変なこと聞くんすけど」
「はい」
「本当にこのまま、帰りますか?」
「……え、」
突然の出来事に頭が働かない。手の甲を撫でていた彼の細長い指は数秒のうちに私の指と絡められ、じんわりと暖かい体温が直で染み込んでくる。
先程まで豪快に笑っていた彼の面影はちっとも無いのに全く怖いとは思わなかったし、むしろこんな真剣な顔をして私に触れてくるなんて意味があるんだろうかとその先の言葉を期待してしまっていた。
「それは、どういう」
狡い女の私は、
彼の言葉を待つだけ。
「___俺に持ち帰りされてくれない、ですか」
夜風が私の頬を撫でるように私とだるまさんの空間を通り抜けていく。
この先の私の返答を知っているのは、私と、だるまさんだけ
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をとは - 素敵な作品を残してくださりありがとうございます。解釈一致きなこさんをよめてにこにこしました。作者様が好きなことを好きなように書き綴っていけるよう願ってます。 (2022年10月5日 1時) (レス) @page37 id: 899e992e13 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - ゆーちゃさん» コメントありがとうございます!これからも面白いお話が書けるよう更新頑張ります✊🏻✊🏻 (2021年12月16日 9時) (レス) id: f6c15978d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃ(プロフ) - どの話もとても素敵でキュンキュンしながら毎日見てます!いつも楽しみにしているので更新頑張ってください^ ^ (2021年12月15日 13時) (レス) id: 56456aa544 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - でこぽんさん» コメントありがとうございます!2話とも読んでいただけた上に喜んで貰えるとは…!色々悩みながら書いたところがあるのでそう言っていただけると本当に嬉しいです😭✨これからも頑張ります! (2021年12月15日 8時) (レス) id: f6c15978d2 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - コメント失礼します…うるかさんの作品あまり見ないので読めてとても嬉しいです(;;)-naki-様のうるかさんの作品、2話ともあまりにも最高でニヤニヤしてしまいました…どのお話も素敵すぎて読むのを楽しみにしてます!更新頑張ってください〜応援しております…! (2021年12月14日 17時) (レス) id: 72062e125f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2021年11月28日 22時