【CR】ゲ ー マ ー × カ レ シ【短編】

● ページ4

▽






離さんと言わんばかりに抱きしめてくるSelly
苦しいよの意を込めて彼の腕を叩いても、ちっとも緩めてくれやしない。




｢……Selly、本当にごめんね。今度から気をつけます」

｢……次やったら、ホントに怒るけど」

｢もう怒ってるよSelly。だからごめんなさい」

｢許すこと、簡単じゃないよ」

｢それは、…いや、うん。そうだよね。ごめん」




心配をかけた分、彼の私に対しての許容範囲がどんどんと狭くなっていくのを感じる。まだ怒りが残っているSellyの顔を見上げると彼は私の頬を両手で包み込んで、そのまま口付けをしてきた。


これが初めてではないけど、こんなのは初めてだ。

唇が離れる度に韓国語で乱暴な言葉を投げつけられているのに、余裕が無い故のことだと考えたら言葉が出なくなって。

いつの間にか後頭部に移動している片手とか、うっすら目を開けた時に見える飢えた彼の瞳とか、全てが愛おしく思えてしまう。




｢……A、もうしない約束して」

｢……もうしません」

｢破ったら指つめる」

｢ねぇ本当に良くないよその日本語」

｢俺本気だから」

｢だとしたらもっと良くないね？」




とか言いつつも、色々な意味で満足したSellyの楽しげな顔を見たらこれ以上の文句は出てこなくなってしまった。
文句の代わりにごめんねSellyと謝りながら抱きつけば、彼はようやっと満足したのか私の頭を撫でてはいはいと笑うだけだった。






◇

奥手×カレシ【CPT】→←遅い帰宅×カレシ【Selly】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す