14 Number twelve. Grimmauld place ページ15
Harry side
11番地と13番地の間から突如姿を現した扉を見ながら擦り減った階段を上がる。
鍵垢もポストも無く、ただ塗料が剥がれた黒色の扉。
ムーディがコツコツと杖で扉を叩くと、扉が静かに開いた。
敷居を跨ぐと、湿った埃っぽい臭いと饐えた臭いがした。まるで廃屋のような気配が漂っている。
ハリー「此処は____」
「ハリー！」
奥の扉からウィーズリー叔母さんが出てきた。
ハリー「叔母さん！」
モ「ハリー、また会えて嬉しいわ！」
囁くように言い、肋骨が軋むほど強く抱きしめられる。笑顔で歓迎してくれた叔母さんだが、以前会った時よりも痩せて青白い顔をしている事に気が付いた。
モ「___会議が始まりますよ」
後ろにいる一向に急かすように囁き、僕の身体を離した。
背後の魔法使い達は、僕の脇を通り抜け扉の向こうへと消えていく。ムーディの後に続こうとするも叔母さんに手を掴まれた。
モ「駄目よ、ハリー。騎士団のメンバーだけの会議ですからね。ロンもスカイもハーマイオニーも皆上に居るわ。会議が終わるまで一緒にお待ち、それから夕食___あ、あとホールでは声を低くしてね」
ハリー「どうして？」
モ「何にも起こしたく無いからですよ___A達を呼びに行かないと、って、ああ来たわね」
階段に目を向けるとAとスネイプが居た。
ハリー「___A」
スネイプは僕を一瞥するとAの追い越し、扉を開いて中に入っていった。
『無事で良かった』
モ「___A、もう会議が始まるわ」
『うん、直ぐ行く』
Aの言葉に叔母さんは頷き、部屋に入っていった。
ハリー「Aは会議に出てるの？」
『___私は騎士団員だからね、』
Aは静かに微笑んだ。
『ハリー、きっと怒ってると思う___色々とごめん。ずっと側で見てたから少しだけハリーの気持ち、分かってあげらてると思う…詳しい事はそら達が話してくれると思う。上にいるよ』
ハリー「ｯAは…ずっと此処に居たの、？」
『___会議の無い日は家に戻ってるよ』
ハリー「…家？」
Aは僕と同じで両親が居ない。
それに親戚も居ない___だからホグワーツに住んで居たんじゃなかったっけ？
『ホグワーツも勿論家だけど…違う"家"___居候、の方が正しい、かな』
ハリー「___もしかして」
『そう、そのもしかして』
ニヤリと笑みを浮かべたAは、ひらひらと手を振りながら扉の向こうへと消えていった。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月13日 17時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - すごい面白いですね！続き楽しみにしています！！ (2021年9月4日 17時) (レス) id: 939e0cb642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チキン | 作成日時：2021年2月10日 22時
