__恋する ver.2

▶︎元カレ(黄)__01 ページ6

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ム「さくらちゃんどこいくの？」

スタジオから出ようと上着を着込んでいると、
ムラさんが後ろから声を掛けてきた。


「ちょっとコンビニに…」

ム「俺もいく！」

「何か必要ですか？買って来ますよ」

ム「いい！ついでに煙草も吸いたいし！」

「そうですか、」


後ろで大慌てで上着を着込んでいるムラさん。
そんなに慌てなくていいのに。

ムラさんの準備が出来たので一緒に外に出る。


ム「さっむいね〜」

「ですね〜。早く春にならないかなぁ」

ム「春になったら花見したいなぁ」

「いいですね、外で食べるご飯おいしいし」

ム「わかる！なんか違うよねいつもと！」


他愛の無い会話をしながら歩く。

ムラさんは変に緊張しないし、
話しやすくて落ち着く。
きっと気を遣ってくれてるんだろうけど。


３分ほどでコンビニに着くと、各々散って
必要なものを選ぶ。

自分のお会計を済ませて、外に出て
ムラさんを待つ。
そういえばムラさんは何買いに来たんだろ。



？「さくら？」

聞き馴染みのあるような、懐かしいような、
そんな声に名前を呼ばれる。

振り向くと、数年前に別れた元カレがいた。


「え…」

言葉が出ない…というか何喋っていいかわからなくて
しばらく固まってしまう。

元カレとはそんなにいい思い出が無い…
というか、忘れたい思い出のひとつで。

できれば今すぐにでもここから離れたい。



元「うわ、久しぶりじゃん。笑」

「あー…うん、」

元「なに？仕事中？」

「まぁ…」

元「つーか最近どう？元気してんの？」

「うん、まぁ…」



捲し立てるような勢いで質問責めをされる。

こういう…距離感がおかしいところ、
本当に嫌いだったなぁ。


元「今彼氏いないの？」

「まぁ…」

元「じゃあ飲み行かね？今日ひま？」

「え、それは無理かな…」

元「はぁ？なんで？」

「…仕事終わるの遅いから」

元「えー？待つよ、何時？」

「…いやでも、」


ム「さくらちゃん？」

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