__恋する ver.2

▶︎やきもち(水) ページ19

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今日はアパレルとのコラボの撮影で
とぅーし君は目の前でメイク真っ只中。

楽しそうにメイクさんと音楽の話をしているのを見て
思わずメイク室から抜け出してため息をつく。
私ってとぅーし君のなんなんだろ…


意味のない自問自答を自分の中で繰り返す。
胸を張って彼女だって言えるようになりたい。

メイクさんみたいに綺麗だったらなぁ…


＊ ＊ ＊



撮影終わりにいつとのスタジオで練習をして、
いい時間になるとみんなが帰っていく。
鍵を閉めなきゃいけないので皆んなが帰るのを
待っていると、最後にとぅーし君だけになった。

昼間のこともあってなんとなく気まずい。
とぅーし君は気にしてないんだろうけど。


手持ち無沙汰になったからモップ掛けをしていると、
とぅーし君が何か言いたげに私を見つめてくる。


「…なんですか？」

と「いや？ 久々に２人っきりだなぁ、って！」

「そうですか」

と「ねぇ、なんか今日不機嫌？」

「あっ…！」

返事をしたあとにモップ掛けを再開した私に
背後から忍び寄ると、モップを奪い取られた。


「別に不機嫌じゃないです、」

と「ほら不機嫌じゃん！俺なんかした？」

「………なにも！」


モップを壁に立て掛けると、
後ろから絡みつくように抱き締められる。


と「せっかく２人っきりなんだからさー！
　 イチャイチャしよーよ？ね？」

「……仕事中なんで…、」


可愛くないことを言って困らせてる自覚はある。
だって…なんかモヤモヤするんだもん…


と「…あっそ！」

腕をスルリと抜くと、足音を大きくたてながら
荷物を取るとこちらを見ることなく
スタジオから出て行った。

そうだよね…
困らせて、怒らせて、何したいんだろ。


1人になったスタジオでうずくまって
大きいため息をつく。
バカみたい私……

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