__恋する ver.2

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さくらちゃんは自分の意見はちゃんと言うし、
無理に周りに合わせたりしないし、
そのくせ気遣いはちゃんとできる。

最初はなんとなく性格が合うな〜ってくらいだったのに、
最近はこの人と付き合いたいって思ってしまっている。

公私混同はしたくないから、
密かに想ってるだけでも…って思ってたら

いつのまにか
どこの誰かもしらない奴と付き合ってたらしい。


マロンさんが言ってた通り、
仕事が恋人！みたいな人間かと思ってた。


いつからなんだろ。
ずっと…？

俺がぐずぐずしてなかったら付き合えてた？


後悔の迷路にハマってしまった俺は、
思考の波に揉まれただ呆然と残りの１日を過ごした。


＊ ＊ ＊

翌日


寝不足で大きなクマを作ったまま
スタジオに着いた。

昨日は色々考えすぎて眠れなかったけど、
彼女の幸せだけを考えようって結論に至った。
それが俺の幸せだから、多分


スタジオの扉を開けると、
メンバーが何人かいるけどさくらちゃんがいない。

いつも1番最初に着いてるのに珍しいな…
って思ってたら後ろから小さな足音。


「ネス君、おはようございます。」

ネ「…おはよ、どうした？」

「…え？」


背後から現れた彼女は俺より顔色が悪くて、
目も少し充血している。


ネ「、なんか体調悪そうだけど」

「あー…、平気。ありがとう。」


にへら、と笑うと俺の横を通り過ぎて
スタジオに入っていった。

いや、平気じゃないでしょう。
あんなに顔色悪いの、初めて見たけど。


同じようにスタジオに入り、
しばらくさくらちゃんを観察する。

周りは気付いているのか気付いていないのか、
いつも通り彼女に接している。


よくよく見ると瞼は少し赤くなっていて、
まるで泣き腫らしたみたい…

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