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ゾ「なに? なんで顔赤いの?」
「……そんなに言われたら誰だって…、」
ゾ「もっと言えるよ?
芯があるところー、声綺麗なとこー、」
「も、もぅいいです……っ//」
ゾ「なんで?もっと照れてほしい…」
「……意地悪するのダメです………っ」
ずきゅん。
なにその言い方。
意地悪するのダメです…かわいすぎる…
俺らの推しは恋愛耐性がない、と……
いいなぁ、ゾマさん。
そんなに可愛いさくらちゃん独り占め中かぁ。
ずりぃなぁ。
なんて、不貞腐れながらスタジオに戻ろうとすると、
非常階段に続く扉が開いて、
さくらちゃんだけ小走りで出てきた。
下を向きながらこちらに向かってくる、
あ、ぶつかりそう、と思った時にはもうぶつかっていた。
と「おっと、 大丈夫?」
「…ぁ、……ごめんなさい…」
反動でよろけたさくらちゃんの背中を支えると、
赤い顔で半泣きのように目をうるうるさせている。
子供のような幼い顔に色気が足されて、
守りたくも壊したくもなる、そんな顔。
トス、トス、と矢が刺さる音がした。
と「なに?どしたんすか?」
本当は分かってるけど、そう聞くと
何も言わずにスタジオに入って行った。
呆気に取られていると、続いてゾマさんが出てきた。
ゾ「…ぉ、お〜、とぅーし何してんの?トイレ?」
と「いや、外の空気吸ってて…」
ゾ「へぇ〜…、中…入らないの?」
と「いやなんか、さっきさくらちゃんとぶつかって、
様子が変だったから…」
そう言うと、ゾマさんの眉毛がピクッと動いた。
ゾ「なんでだろうね、」
と「まっっじで可愛かったな、今の……」
さっきの顔が俺の頭の中で
何回もリピート再生されている。
ゾマさんはアレを近くで見てたのかぁ、
やっぱりズルいな〜。
ゾ「とぅーし?」
俺の発言に不安を覚えたのか、
顔色を伺うように覗き込んで来る。
ゾマさんが本気なら応援するって思ったの、
やっぱり取り消し。
ごめんね、ゾマさん。
と「惚れちゃったかも…」
ゾ「え!?」
と「アタックしちゃおっ♪」
驚くゾマさんを放置して、勢いよく扉を開ける。
さくらちゃんは帰り支度をほぼ終わらせていて
今すぐにでも帰りそう。チャンス!
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作者名:まるさ | 作成日時:2022年12月12日 11時