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普段みんなにママロンなんて言ってもらって
頼りにして貰えているけど、

好きな子から言われると、
男として見て貰えてないみたいでちょっと……

なんていうか、苦しい……



マ「ママじゃないよ、」

「へ? あぁ、本当のママなんて思ってないですよ、笑」

マ「じゃなくて、さ」

「?」


不思議そうにキョトンとした顔で俺を見る。
ちっかいんだよなぁ、顔……

揺れる睫毛と薄茶色の瞳にきゅんとする。



マ「どうやったら男として意識してもらえますか?」

「男として…?」

マ「ママじゃなくて、」

「え、どういう………」



マ「俺だけがさくらちゃんにどきどきしてるって
  なんか悔しいよ、」



俺が下を向いてそういうと、
さくらちゃんはしばらく黙った。

慣れないことを言って、冷や汗が出る。
心臓もバクバクで、今にも飛び出そうだ。

言わなかな良かったかな……



「………どきどき、してますよ、」

マ「え?」



まさかの回答に首をぐるんと向ける。

さくらちゃんもさっきの俺みたいに
恥ずかしそうに下を向いていた。




「これ以上は聞かないでください、
 けいたんさんに怒られます…」

そういうと横目でちらりと俺を見る。
汗のせいか、ちょっと瞳がうるんでるようにみえる。

俺、ちょっとは期待してもいいってこと?



マ「俺、秘密は守りますよ?」

「……でもダメです、」

マ「ははっ、なんでよ。笑」

「恥ずかしいからです……っ!」

マ「そっかぁ〜。
  恥ずかしがってるさくらちゃん新鮮だなぁ」



ちょっとからかうように言うと、
小さな唸り声を上げて、また顔を赤くした。



「もう……全然ママなんかじゃない…//」

マ「だから言ったでしょ?」




さくらちゃんは困ったように眉を下げる。

そうこうしていると玄関前まで着いた。


マ「ありがとね、」

「は、はぃ………じゃあ戻ります。」

マ「はーい、……ね、さくらちゃん」

「……なんですか?」


絵に描いたようにジトっとした目で見てくる。
この表情描きたい。


マ「さっきの、2人だけの秘密ね?」

「言えないですよ……」

マ「ママとの約束だからね?」



意地悪そうに笑うと、さくらちゃんは少し後退りして

「ママなんかじゃないっ!」


と吐き捨てて逃げるように帰って行った。


よかった、やっと男として見てくれたらしい。

慣れないことをして心臓が痛いけど、
今日の原稿は捗りそうだ。


「ママじゃない(緑)」end

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作者名:まるさ | 作成日時:2022年12月12日 11時

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