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と「…まぁ、本気っすよ、」
ゾ「なんで？急に？」
と「……ゾマさんこそ」
ゾ「………っ！」
ゾマさんは目を見開いて、バツの悪そうな顔をした。
いや別に責めてるわけじゃないんですけど。
と「でもおかげでさくらちゃんの魅力に気付けたし
嬉しいっすけどね〜」
荷物をリュックに詰めながらそう言うと、
それはそれは悔しい顔をしている。
と「まぁ、さ？ どうするかはさくらちゃん次第なんで
俺はゆるくやるつもりっす。」
ゾ「そっ、か……」
と「俺、ゾマさんと険悪になりたくないっすよ？笑」
ゾ「俺だって…！」
俯いていた顔を上げて、そういうと
ふっ、と思い出したように笑った。
ゾ「…とぅーしってたまに大人なんだよなぁ。笑」
と「たまにってなんすか、たまにって！」
ゾ「いつもはとぅーしなのに」
と「当たり前でしょ！笑」
なにか吹っ切れたのか、いつものゾマさんの
雰囲気に戻っていた。
良かった。
２人で荷物をまとめて、スタジオを出る。
他愛のない話をしながら駅まで向かい、
別れる直前に
ゾ「俺はさくらちゃんの秘密知ってるから、
とぅーしには負けないもんねっ」
と悪そうな顔で捨て台詞を吐いてった。
秘密…！？
だから急にスイッチ入ったのかな。
なんだろう、俺も知りたい…
一気にモヤモヤと暗雲が立ち込む。
嫉妬？独占欲？ なんかどれも違う気がするけど、
それな気もする。
やっぱりずりぃよ、ゾマさん。笑
モヤモヤを抱えたまま、家に帰り、
荷物を投げ出して椅子に座る。
そのまま日常生活を続けるけど、
考えるのはさくらちゃんのことばかり。
気楽に、とか言ったくせに俺結構ハマっちゃってる。
俺も、さくらちゃんともっと仲良くなりたい…
そう思うと、指が勝手にさくらちゃんに
通話をかけていた。
4コール目でさくらちゃんの声。
「…はい。」
と「あ、夜遅くにすみません、」
「いえ、なにかありました？」
と「…………声、聞きたくて、」
「あー…」
と「ごめんなさい、なんか抑えられなくて」
「…………」
少しの沈黙が続く。
と「…いやでした？」
「…嫌じゃないですよ……ただ、」
と「ただ？」
「…戸惑ってるだけです……」
と「ふはっ、じゃあ良かったです。
嫌って言われたら泣いてました。笑」
「泣くほどのことじゃないですよ」
と「いや、ほどです。わかってないなぁ。」
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作者名：まるさ | 作成日時：2022年12月12日 11時
