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空いていたお腹も、今はもうあんまり空いてなくて。
ふらふらと校内を歩き回る。
もう少し考えて話すべきだったかな。
でも何がダメだったかよくわかってない。
久しぶりに会った人への普通な質問だったような気がするけど。
「逃げてきた、……か…。」
もしかして、今までもずっと？
あの母親に？
だとしたら？
ああもうよくわかんね。
ぐちゃぐちゃになった頭の中。
後頭部をかきながら、辿り着いたのはいつもの空き教室のドアの前。
適当に歩いていたはずなのにここに辿り着くとはもうおかしい。
でも少しだけ、助けて欲しい。
ガラッと音を立てて開けたドアの向こう側には、やっぱりいつものメンツ。
俺が来たことに驚く志麻くんと、じゃれあう坂田とうらた。
落ち着く空間に、ホッと胸をなでおろすと教室に足を踏み入れた。
「なんで来てんの！？Aちゃんは！？」
「えー！？なになに！彼女？センラくん彼女できた！？」
「バカ、ちげーよ。センラに彼女なんてできるわけねーだろ！！」
志麻くん以外の二人は後で殴ろう。
机を囲むように置かれた4つの椅子のうち、空いてる椅子に座って、「うーん」と曖昧な返事。
何かを察した坂田に哀れみの目を向けられたのには、気づかないフリをしておく。
「いや、…あの。」
俯いて、口籠る俺を見て、ふざけていた坂田とうらたも、なぜか静かになって。
なんで、止まる？
ふざけてくれていいのに。
こんな俺の情けない話なんか、聞かれたくない。
「うらたさん！！！」
「え、なに」
「坂田と一緒に飲み物４人分おねがい」
志麻くんは、いきなり大きな声を出したと思えば、
ナチュラルに俺の財布から千円札を抜き、うらたに渡すと、目で何かを訴え、自販機に行けと言う。
突然のことに、ぽかん、としてると、うらたはため息ついて、「わかったよ」とつぶやくように言った。
有無を言わせないようにか、何か言いたげな坂田の首根っこを掴み、引っ張って連れて行くうらたの背中を見守り、志麻くんの方へ視線を戻した。
ほんと、察しがいいから嫌なんだ。
何気ない優しさに「バカかよ」なんて言う俺は、ただの照れ隠し。
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高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…！これからも応援しています、頑張って下さい！ (2017年12月29日 9時) (
レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…！！読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります！ありがとうございました！ (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します！！すごくいい話ですね！！泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください！！応援してます！！ (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまみや。 | 作成日時：2017年1月10日 17時
