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「んで、ここが………」
俺の後ろをぴょこぴょことついてくる、Aがかわいくって、わざと早く歩いてみたりして、最後の場所。
未だ言葉は交せてないし、Aの声も自己紹介以来聞いてない
「じゃ、ここ最後。多分ここら辺はあんま人来ないかも。覚えてなくても大丈夫やで」
北校舎の2階。
日が当たらず、肌寒いこの校舎には
生徒会室があったり、資料室があったり。
委員のひとたちが来る場所かな、と勝手に思ってる。
「どっか、気になるとことかあった?」
そう聞いてみると、首を横に振るA。
じゃあ、終わり。
そうじゃなくて。
なんか言え、俺。
焦る脳内で、不意に出てきた言葉。
「…、げ、元気にしてた?あっちで。」
咄嗟だったから、何も考えずに、言ったのが間違いだった。
俺の質問に、顔を曇らせると、一回、首を振り、
そして何か考えた後、薄い桜色の唇を開いた。
「元気、じゃない。…だって逃げてきたんだもん。」
そう言った後、後悔をしたのか眉を寄せると、「案内ありがと」と小さな声で言うと後ろを向いて、登ってきた階段に向かって歩いて行った。
このままじゃマズイ気がしたけど、追いかけて何か聞けるわけでもないから、ぎゅっと拳を強く握った。
それに、あんなに、不安そうな瞳で見られたら、怖くなって何も言えないよ。
ああ、俺は昔から何も変わってないな。
弱虫なとこも、心の気持ちも。
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高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…!これからも応援しています、頑張って下さい! (2017年12月29日 9時) (レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!!読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります!ありがとうございました! (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します!!すごくいい話ですね!!泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまみや。 | 作成日時:2017年1月10日 17時