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志麻くんの、
どっから出てくるんだってほど途切れないマシンガントークを適当に流し、
やっとの事でSHR。


行事以外に髪が整っているところを見たことがない、
ボサボサ頭の担任、菊池がだるそうに教室に入ってくる。


イヤホンを片耳に挿し、机に突っ伏しながら、適当に話を聞いていると、突然教室内が騒めき出す。


めんどくさそうな雰囲気に、ため息をつきながら、
窓の外を眺めてはもう一度ため息をついた。


寒そうな風が赤色に染まりそうな木々を揺らす。


早く終わらないかな、なんて考えてる俺に、

するっと耳に入ってきて脳を刺激したある名前。


「転校生の、………えーっと…名前言って」


「…A、Aです。」


その瞬間、がたんと音を立て立ち上がったのは紛れもなく、自分。


前に向いていたみんなの視線がすぐに俺に向けられる。


担任の横に立つのは紛れもなくあの時から成長したAで。


肩まで伸びたダークブラウンの髪の毛

ぱっちりとした二重

不自然な、目の色

まだうっすらと残る首の傷


遠目だけど、わかる。
Aだ。


耳につけたイヤホンからは、タイミング良く、「君に会えた」なんて、ラスサビが流れ。


Aと、視線がぶつかる。

何かを、思ったのだろう。
悲しそうな眼をしてから、すぐに逸らされた。

クラスメートからの冷やかしのヤジが飛ぶ中、俯いて、椅子に腰を落とした。


「ん、座ったな。…海外暮らしが長いみたいだからみんな仲良くしてやってなー。」


菊池の声なんか、聞こえないくらいに頭のなかは混乱して。


でも、なんで?

もう帰ってこれないんじゃなかったの?

…なんで。


9年前、消したくて、消せなかった、俺の気持ちは
消さなくても、いいの?


「じゃ、廊下側の一番後ろ、あそこ座って」


「はい。」


「休み時間、学級委員、校内案内してやれ。じゃ。」


分厚いファイルを抱え、教室を出てく菊池をよそに、
クラスのほとんどがAに釘付け。


ふわふわにセットされた髪の毛を揺らしながら、机と机の間を抜け、言われた席に座るA。


目で追っていると、斜め前の席の女子にからかわれて、視線を外す。


Aってあんな、冷えた瞳してたかな


心に積もる違和感に、変に波打つ鼓動を抑えつけ、
一限の教科書を机から取り出した。

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高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…!これからも応援しています、頑張って下さい! (2017年12月29日 9時) (レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!!読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります!ありがとうございました! (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します!!すごくいい話ですね!!泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまみや。 | 作成日時:2017年1月10日 17時

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