5.田中さん。 ページ6
階段を駆け上がり、学年の階に着いたのが5分前。
うん。予定通り。
僕が進学クラスだと知った彼女は、
やっぱ私の目に狂いはなかったね!!と、何故か誇らしげにしていた。
変な人。
教室に入る直前、彼女が大きく腕を振りながら、ありがとー!と叫んできた。
なので
ほいほい色んな人を信用してついて行くもんじゃないよ、と言っておいた。
教室に入ってすぐ、気をつけるねーー!!!と、4組にまで聞こえてくる大声で叫んできたため、恥ずかしくなり他人のフリをしておいた。
次話すことがあったら限度というものを教えなければ。
この時はそう思っていたが、まぁその後会うことも無く。
____そして昨日、久々に会った。
日向や王様みたいなからかいがいがあるなと思い、新しいおもちゃを見つけた気分だった。
当の本人はぶりぶりと怒っていたが、面白いので良しとする。
今日も登校中に少し前を歩く小鳥を見つけたので、
真後ろに立ち
影を落とし
声をかける。
予想通りというべきか。
ビクリとはねた小鳥がこちらを向き、なんともみっともない声をあげた。
いつもならここで笑うが、なんと予想外。
驚きすぎたのか、
小鳥は何も無いところでつまづいた。
これには僕も驚き、反射で腕を掴み、引く。
「はぁ………。
こんな何も無いところでつまづく?普通。
さすがコトリサン。」
からかいながら言うと、コドリだと叫んでくる。
もちろん彼女の苗字がコドリなのは知っている。
わざとに決まってる。
朝から面白いものを見たな、と笑っている間に、怒った小鳥はずんずんと歩みを進める。
……………………と思ったらピタリと止まり。
ぐるっと振り返り、ボソリとなにかを呟く。
…………………………聞こえないんだけど。
もう1回、と言うと、手を握りしめ、何故だか悔しそうに言ってきた。
『…………っ助けてくれてありがとうございますコラ!!!』
………………………………なんで田中さん?
呆気に取られてるうちに、彼女は達成感が滲み出る顔をしながら、
またずんずんと歩いていった。
つくづく思う。
本当に変な人。
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抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年6月30日 8時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - にゃそさん» ありがとうございます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃそ(プロフ) - めぐみるくさん» いえいえ、こちらこそ!この作品大好きなので更新頑張ってくださいね!応援してます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: e76b314c45 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - にゃそさん» うわぁああぁあご指摘ありがとうございます!!すみません、調べが足りなかったです………。 (2019年8月21日 0時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
めぐみるく(プロフ) - すばるさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月21日 0時) (レス) id: b734a4fc0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐみるく | 作成日時:2019年8月14日 11時