伝 え た い 。 【鬼滅の刃】

伍 . 蕨姫花魁 ページ17

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「次、この部屋の掃除を頼むよ」


『はい！！』




吉原遊郭内にある売春宿__" 京極(きょうごく)屋 "へ来て、
早2ヶ月が経とうとしていた。


あの日に会ったおじさんは、" 京極屋 "の
旦那さんだったのだ。


そして私は今、ここで雑用係をしている。


遊女の着付けや部屋の掃除、洗濯はもちろん、
頼まれれば三味線の演奏なんかもしている。




『衣食住があってお金も貰えてラッキー！！』




シシシ…と笑っていると、女将(おかみ)さんの
お三津(みつ)さんが怪訝な顔で部屋を覗いた。




「何を笑っているんだい。掃除が終わったなら
夕餉(ゆうげ)の支度を手伝ってちょうだい」
※夕餉＝夕ご飯


『は、はい！ただいま行きます！！』




お三津さんを追いかけて、台所へ入る。
台所には私と同じく雑用係の女の子たちが
忙(せわ)しなく働いている。




「貴女(あなた)は米を炊いてちょうだい」


『はい！！』




腕まくりをして、釜(かま)に米を入れる。
そこまでは、良かった。



…お米を洗う時って、洗剤で洗うんだっけ！？
蝶屋敷でのことを思い出す。


アオイちゃん、お米を洗う時どうしてたっけ！？
……ダメだ！！思い出そうとしてもアオイちゃんの
手元だけぼんやりしてて見えない！



…でも、洗剤で洗った方がきっと綺麗に洗えるよね。
と、思って米の入った釜に洗剤をぶち込むと……




「な、何してるのアンタｧｧｧｱｱｱ！！！！」




お三津さんが断末魔(だんまつま)の叫びをあげた。



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