003. トモダチ以上コイビト未満 - 3 ページ3
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翌日、軽くシャワーを済ませてから
黒のお気に入りのワンピを着て
住所に記された先に向かう私。
比較的新しめなアパートの2階に位置する
その部屋は、表札がなかったから
一瞬鍵をさすのを戸惑った。
「 お邪魔しまーす… 」
部屋に入ると、男物のブーツやスニーカーが
散乱していて、ごちゃついた印象が目立った。
龍也はまだ帰ってきていないようで、
本当は少し抵抗があったけれど、
玄関につったっているわけにもいかないので
部屋の奥まで足を進ませることにした。
「 勝手に座っちゃってもいいかな、 」
居場所に悩んだ末、私はワンルームの部屋の
隅にあるベッドに腰掛ける。
何分くらい経ったのだろう、しばらくすると
ドアが開く音がして玄関の方に目をやる。
「 …あ、もう来てたんだ 」
「 …お邪魔してます 」
一瞬だけ、気まずい空気が流れた。
「 そういうときはさ、お邪魔してます、
じゃなくておかえり、でしょ？ 」
「 それ、理想の彼女の鉄則だから〜 」
なんて、へらへら笑いながら部屋に入って
きた彼は、ベッドに座る私を見て
「 相変わらず気が早いこと 」と
冗談めかした表情で笑った。
「 …正直、楽しみにしてた 」
「 なに、今日は素直じゃん。 」
よしよし、と頭を撫でる彼。
その顔には、余裕の表情が浮かんでいた。
「 …無自覚野郎、 」
「 え、なーに？もういっかい 」
「 やっぱ何でも無いでーす、 」
ふふふ、と笑った龍也は、私の隣に
腰掛けて、私の顔をじっと見つめる。
そして急に真剣な表情になって、こう言った。
「 …話がある、 」
いきなりの変化にびっくりして、私が
「な、なに？」と声を裏返らせると、
彼は再び口を開いてこう言った。
「 俺達さ、もうこの関係…やめない？ 」
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作者名：ももち | 作成日時：2015年8月29日 18時
