しがない葬儀屋ですが【伏黒恵】

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「乙骨先輩が留学に行くとか、もう1人の1年生がまだ来れないとか色々あるんすけど」



『………』



「先輩の健康が心配なんだそうで」



『よく言うよ』



鼻で笑い飛ばしたかと思うと、足を組み直して猫を撫でる



心底俺もこの人の健康が心配だ



別にそんな義理はないが、あの世への境界にずっと1人で篭っているなんて死人同然だ



『特級くんの代わりにはなれないし、
戻る気はないんだけどね』



「……なんでですか？」



結構低めに脅されたんだよな、五条先生に



絶対連れ戻せって



あの先生の考えてることなんて理解しようとするだけ無駄だ



とりあえず連れ戻せばいいんだろ。



『居心地いいんだよね〜ここ〜、
商売も上手くいっちゃってるし』



「繁盛してるように見えませんけど」



『そうかな？

今日だって君の後ろの彼が依頼に来たのかなー…

って思ってたんだけど』



「……そんなことじゃビビりませんからね」



『あははっ、釣れないなあ』



“背後の彼”を否定しないのが怖いものの



『まあ戻ってあげないこともないよ』



「それ戻らないやつですよね…」



『ん〜どうかな？
優しい恵くんが毎日通ってくれるなら考えておくよ』



「………名前、」



『Aちゃんに隠し事は無意味なんだよ？
背後の彼も言ってるし』



「嘘ですよね…？」



『うん、君の名前は別かな』



「名前”は”って…」



ゾッとしねえ、と肩を竦めた



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