闇の帝王の娘と捻れた世界【ツイステ】【HP】 (ページ19)

今日:15 hit、昨日:31 hit、合計:59,582 hit

10 ページ19

.

「...きれい...」

「おや、すっかり見惚れていますね。」

こんな素敵な寮初めてだわ、とメイサはポムフィオーレ寮の美しさに見惚れながらポツリと呟いた。

なにせ、彼女の出身寮は地下室。
ホグワーツの校舎も城のようではあったが黒系統で何となくどんよりした雰囲気が漂っていることが多かった為、ポムフィオーレ寮の絵本の中の白いお城のような建物はあまりにも目に鮮やかに写ったのである。

「あら、この建物、素敵でしょう?
アタシはヴィル・シェーンハイト。この寮の寮長よ。宜しくね、サツマイモ。」

「誰がサツマイモよ。炒めてモヤシ炒めにするわよ。
私はメイサ・ロウルよ。宜しくね、シェーンハイトくん。」

「あら、こちらこそスイートポテトにしてあげましょうか?...なんて冗談は置いておいて。
この寮は美しき女王の”奮励”の精神に基づくポムフィオーレ寮。
美しく在る事を怠ったらどうなるかは分かるわよね?」

私、面倒臭がり屋だから無理だわ、とメイサは嫌味な笑みを浮かべて肩を竦めた。
ヴィルはヴィルで、努力する前から諦めるような根性なしの茎ブロッコリーなんていらないわ、とメイサに負けず劣らずの笑顔を浮かべて口元に手を添えた。

学園長は、この寮には馴染めそうにないですね、と首を振って諦めたような目でメイサを見た。

「それじゃあ。私忙しいからもう行くわね。寮の紹介どうもアリガトウ。考えておくわ。」

「まずはその根性を叩き直してから入って頂戴。じゃあね、サツマイモ。」

メイサはヴィルに手を振ってポムフィオーレ寮を出た。