あぁ、好きだ .【ヒロアカ】 (ページ9)

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癒乃ちゃんと黒板ページ9

今日の日直は私だ。

なので、授業が終わった度に黒板を消さなきゃいけない。

…のだが。

「(とっ…届かない……っ！！！)」

そんな小さい方じゃないと思うのに、背伸びしても跳ねてみても、どう頑張っても上の方まで黒板消しが届かないのだ。

誰かに頼るのも手だが、折角の休み時間に黒板消しという地味に嫌な雑務を他の子にやらせるわけにもいかない。

「どうしたものか…」

休み時間終了まであと5分。

黒板の前で唸っていると、救いの声がかかった。

「Aちゃんっ！手伝うよ！！」

「お茶子ちゃん…！！」

苦戦してた私に気付いてくれたお茶子ちゃんが黒板に挑むも、

「…ごめんAちゃん…私じゃ力にならんかった…」

「ゆっ雄英の黒板、無駄におっきいもんね…！
届かなくて当然だよ、大丈夫だよっ」

落ち込むお茶子ちゃんにありがとうと声をかけ励ましていると、

「…貸してみろ」

さらに救いの声が。

「轟くん！」

手に持っていた黒板消しをさらっと取り、
なんてこともなく上の方を軽々と消していく。

こうやって近くに並んでみると、
彼は随分と大きいことが分かった。

「おおお！轟くん背おっきいねぇ」

180近くはあるのだろうか。いいなぁ！

「ありがとう、轟くん！」

助かりました、とお礼を言うと、

「…おう」

とだけ返してくれた。

その表情は、少し柔らかかった。