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21.わたしは、寂しいの ページ21

*


 Qくんのこともそう。本当は言うつもりのなかったこと。
 決定打となったのは、その後の太宰くんの言葉だった。胸の取っ掛りが、消えない。焦りが、罪の告発が、恐ろしい。
 人間じゃないみたいだ、なんて短期間に三人にも言われてしまったら自信がなくなっちゃう。


「部下に不信感を植え付けてしまったかもしれない。素が空洞で、何もないのを見破られそうで、性根の悪さまでバレてきているようで怖いのです」

「世間を揺るがせた国民的大子役が、落ちぶれたのかい?歌も上手ければダンスもうまい。演技も上手で、朝ドラにもなんのドラマにも、舞台にだって引っ張りだこ。可愛いからバラエティにも引っ張りだこで」

「......異能力で、人気俳優数人を殺してしまったあの後から、私は舞台というステージに立てなくなった。仕方がありませんけど。己の持つ異能のせいで全国民を悲しませた私に、二度と楽しませることなんてできない。でも今でさえ演技がしたくてたまらない。だからずっと演技に固執してきました。でもそれもダメになってしまったら......」

 いよいよ異能力、ひいては異能力者を恨むしかなくなる。

「いや、大丈夫ですね!」

 そもそもこれは首領相手にするような相談ではない。空元気じゃない。たぶん大丈夫だと思うからだ。
 私は楽観的に生きなければならないのだ。
 その上、紅葉さんが探偵社に捕まっている現在、必然的にわたしとお兄ちゃんと芥川くんが重用される。自分のことで悩んでいる場合ではない。
 本題はこの組合の重要機密事項だ、と一枚の資料を渡され、斜め読みしながら「それでは」と部屋を出る。......出ようとした。

「待ってくれ、Aくん」

 ぴくりと足を止める。真摯な声だ。冗談半分じゃない、硬質な声だった。


「君は先程のたられば話、どう続けようとした?」

 すう、と短く息を吸った。

「それは命令ですか」
「いいや、ただの興味だ」
「であれば、『答えたくありません』。失礼します」


 そう言い残すと駆け足でエレベーターまで走り去った。不敬だが仕方がない。
 今はそんなことを考えている場合ではないのだ。
 自身が補佐する幹部の執務室を開けても、相変わらず人はいない。お気に入りのティーカップは棚の中にあるままだ。
 せめて立原くんでも来てくれないかな。
 寂しい。
 どうしてうちの幹部はいつも此処へ来てくれないの。


*

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宮古みなこ(プロフ) - 黒灰白有無%さん» 返信遅くなってしまい大変申し訳ありません😭キスが精一杯のプラトニックラブを描いているつもりなので綺麗な物語と言って頂いてとても嬉しいです!私もごごりのシーンは懲りました!内容は超考えてるので更新頑張ります!本当にありがとうございます。💦 (9月29日 22時) (レス) id: 3762c357ba (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 失礼致します題名に惹かれまして1から拝見為せて頂きました!綺麗な物語というイメージが大きいです.ゴー/ゴ/リとの絡みが特に大好き過ぎます!!綺麗で且つ迚も面白かったです!!続きも楽しみに仕手おります無理は為さらないで下さいね.これからも応援しております!! (9月15日 15時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
宮古みなこ(プロフ) - 風花さん» ちょうど読み返していたところでした❗️コメントを頂きありがとうございます。現在続きを作成中です!!!待っていて下さって大変感謝しかありません。もう暫くお待ち頂けると嬉しいです!前作に引き続きありがとうございます! (9月4日 23時) (レス) id: 3762c357ba (このIDを非表示/違反報告)
風花(プロフ) - やはりこの作品は面白い!!続きを楽しみにお待ちしております!! (9月4日 12時) (レス) id: 093315c16a (このIDを非表示/違反報告)
kurumi - こちらこそ、返信有り難う御座います。しょうう、と読むのですね。どうも、人名を読むのは不得意なものでして…😅 (8月19日 10時) (レス) id: 36a2ebbf69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂糖やよい x他1人 | 作成日時:2023年7月11日 21時

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