ひねくれ男女【まふまふ】

6.カリギュラ効果 ページ6

「……てか、わしより相川の方がわかるんじゃないの？あいつ天才だし、」




『…………え？でも、わからないって……』




「うわ、絶対嘘だ。英語ができないわしたちをバカにしとるんだよ」






棗はそういうけど、本当にそうなのかな？……





あの時、心なしか、苦しそうな顔つきだったし……。無理に聞くより、他の人に聞いた方がいいか？




……う〜む。あいつってほんとよくわからん。





「……まぁでも、気にしなくてもいいんじゃない？」





『……ま、そうだね！』





こんな英文いちいち気にしてなくてもいいや！もっと人生は明るくじゃないと！




でも、この英文を書いた人は、私の上靴に画鋲を入れた人と同じなのかな。





……早いとこ犯人見つけて和解しないと……。ポジティブイズベスト！






.






「………A」





『ふぉえあ！？な、なに！？』





突然後ろから名前を呼ばれ、振り替えると声の通り真冬がいた。……あ、先生に伝えてくれたかな？





真冬の顔は、結構苦しそうだった。真冬と何年も過ごしてきたんだ。それくらい察せる。





「……犯人探しはしなくていいよ。先生がやるらしいから」




『え？いや、被害者と加害者が和解しないと解決とは言わないんじゃ……』





「良いから。響希さんも、この英文の意味はわからなくていいし、今回のことは深く関わらないで」





真冬は唖然とする私と棗を交互に見て強情に話を進める。そしてすべて言い終わったあと、少し強気の歩き方で自分の席に座っていった。




もちろん私と棗は内心混乱状態。頭が疑問符でいっぱいだろう。





でも、考えることはお互い同じのようだ。






「………なぁ、Aよ」





『……なぁ、棗よ』





「今回の件……」





『あぁ、……深く関わらないでとか言われると、更に関わりたくなるってのが人間の本性だぜ』





「そういうの、カリギュラ効果って言うんだって。……まぁ、人間の本性には抗えないよなぁ？」




『……くくっ、……あぁ。どこぞの夢の国の映画の歌詞にも、ありのままでってあるしなぁ？』





「……よし！やるか！」





『おう！』






私と棗はハイタッチをして、今回の件について関わることにした。





……カリギュラ効果ってやつだから！！人間の心理学だから！！私たちは悪くないぞ！()

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