27.拒否 ページ27
『……失礼しました。』
ｶﾞﾗｯと、ドアを閉める。
職員室前の廊下は少し静かで、その静かさが虚しさを誘っていた。
僕だって、行きたくて職員室にいったわけじゃない。
今、この瞬間でも友達とかと話したかった。
けど、両親はきちんと挨拶なさいって、うるさくて、……。
……もう、時間なんてないのに。
「……あ！真冬くん！」
『……翔太くん？どうしたの？』
すると後ろから声が聞こえ、振り替えると、そこにはにこにこと笑っていた翔太くんがいた。
……翔太くんを見ると、嫌でも告白するといったAを思い出してしまう。
「……真冬くん教室にいなくて、それでどこ行ったか探してたの！」
『……あ、ありがとう？……』
ぎゅっ、と僕の両手を翔太くんの両手で握られる。
その手は暖かくて、少し、懐かしい気もした。
「あのねあのね！明日の土曜日、Aちゃんと、棗ちゃんも誘って、遊びに……」
『…………ごめん。』
「…………え？」
僕は顔を下げて、率直に告げる。
翔太くんの笑顔が崩れていることなんて、嫌でも声でわかった。
「…じゃ、じゃあ日曜日は？」
『…………それも、……ごめん。』
「……じゃあ来週の土日は？」
『……それも、無理、……。』
どんどんと翔太くんの声が震え始めている。
僕、こんなに人を傷つけてしまうなんて……。
もう、虚しさと悔しさしか感じられない。
「…………ど、どうして？」
『…………それも、……答えられないんだ。』
「…………そっ、か、……ごめんね！」
…………あ。
繋がっていた手が外れ、顔を上げると翔太くんの後ろ姿が目に映る。
本当、僕って最低な人間だ。
人のこと平気で傷付けて、その上自分のことばかり。
泣きそうになるのをグッとこらえて、教室をめがけてあるきだす。
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです！別垢になってもずっと応援してます！お疲れ様でした！ (2020年8月11日 18時) (
レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね！ずっとずっとやのさんの作品が大好きです！ (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです！今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します！ (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした！！！(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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