23.手と手を繋いで。 ページ23
天宮くんの声に、私と真冬は唖然とする。
「……僕、二人に喜んでもらおうと思って家にあげたのに、喧嘩しちゃダメだよ！！」
天宮くん…………。
「はい！二人とも！」
「わ、わっ！ちょっ！……」
『え、なに！？……』
突然私と真冬は天宮くんに片手を握られ、そして私と真冬の二人が手を握るよう動かされた。
真冬の手は白くて大きくて、でも少し冷たかった。
ふと顔をあげると、真冬も同じタイミングで顔をあげていた。その拍子で、お互いに目が合ってしまい、すぐに目をそらす。
「……はい！これで仲直り！って！ちょっ！もっとぎゅっと握って！」
『あ、天宮くん、勘弁して……』
「……本当に、僕たちいい年してなにやってんの……。」
高校生の男女が手を握るなんて、カレカノぐらいしかいないじゃないか。
そんなことと連携してまい、真冬と私は頬を赤らめて天宮くんに訴えた。
だけど天宮くんは何食わぬ顔をしてにこにこ笑う。
「仲直りするときは、手と手をぎゅって握る！そしたら言葉なんてなくても笑えるよ！」
良いことをいってくれてるのはわかる。けど、現実そんな簡単なもんじゃないと思う……。
でも、天宮くんの微笑む姿を見て、不覚にもきゅんっとしてしまい、言いにくくなってしまった。
「……“ごめんなさい”が言えないときは、二人ともこうしてね！……きっと、手と手が二人を繋いでくれるから！」
その言葉を聞き、私と真冬は目を合わせる。真冬の少し寂しげな瞳に、確かに私は映ってた。
真冬の頬はほんのりと赤くて、私の頬も、それぐらいに赤かった。
「…………え、え、なんで二人とも赤くなってるの！？もしかして熱！？……ハッ、まさか僕が勝手に手を繋がせたから、熱が移ったんじゃ！……」
『天宮くん？？違うからね？？』
「翔太くんって、所々天然なところあるよね、……」
「……えへへっ、元に戻った！」
天宮くんは歯を少し見せてはにかむ。
……ﾄﾞｸﾝｯと、私の胸が高鳴っている。私の頬が赤くなっている。
……なんなんだろう、このもどかしい気持ち。少し、懐かしさも感じられて、……。
自分のことなのに訳がわからなくて、自分のことに精一杯だった。
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです！別垢になってもずっと応援してます！お疲れ様でした！ (2020年8月11日 18時) (
レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね！ずっとずっとやのさんの作品が大好きです！ (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです！今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します！ (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした！！！(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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