30.ひとりぼっちの憂鬱 ページ30
……小さい頃、よく虐待と虐めを両方受けていた。学校では嘲笑われ、家では暴力を振られる日々。
今まで優しかったお母さんだけれど、小学校に入ってからお父さんが死んでしまったから、それ以来変わってしまった。
「……あんたなんかねぇっ！」
『…………うっ、』
全部自分が悪い。自分がダメなんだ。そう思って、勉強だって、運動だって、何もかも頑張った。
テストで全部あっていたって、先生はわざと0点にするし、皆はケラケラと笑っていた。
いつものような散々な日々は、ある日幕を閉じる。
焦げ臭い臭い、じりじりと焼けるような暑さ。……ただでさえ貧乏だからおんぼろアパートなのに、火事が起きたのだ。
目の前には火傷を負ったおかあさん。たくさん叫んだ。泣いた。だけれど、目を覚ますことはなかった。
そして親戚の家に引き取ってもらうべく引っ越した。……だけれど、やはり虐待をされてしまう。
家事で火傷をした頭を包帯で巻いて、もし治っていたとしてもはずさないつもりだった。
……そんな俺の姿が嫌だったのかな。
「いい？これは愛なのっ！愛をもらっているお前は恵まれてるんだよｯ！……」
親戚の人はすぐに俺を殴ったり蹴ったりしはじめて、終いには「愛だ」と言うようになった。
もちろん最初はふざけてるのかと思った。だけど、来る日も来る日も虐待をされているうち、愛だと根付いてしまった。
俺はそのまま高校に入学し、一人暮らしを始めた。本当はまだ愛をもらっていたかったのだけれど、将来のことを思えば、苦ではない。
……それに、閃いたのだ。体を売れば、愛をもらえるし、お金だってもらえる。
だけど、全然お金がたまらない。ガス代だって、水道費だって、何もかも足りない。
だから俺は不登校になって、毎日体を売ることに専念した。
.
…………これが俺の、今までのこと。
ビックリした？失望した？それともやっぱりだと思った？
……こんな汚い過去がある自分自身のことに、純潔な彼女を巻き込みたくない。
Aは、俺のたった一人の友達。
可愛くて、優しくて、真っ直ぐで。
そんなAを守りたい。守ってあげたい。
だから、たまに思ってしまうんだ
もう、お別れしなきゃなって
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2019年10月24日 0時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
はなね - 貧欲ではなく貪欲では？ (2019年10月22日 14時) (レス) id: ea485f4be1 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 愛香さん» ありがとうございますううううう！！！！はい！天界から降臨したエンジェルボイスを持つ天使さんの予定です！！はい！頑張ります！ (2019年4月18日 20時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - layuさん» ありがとうございますううううう！！！！今回はそらまふを少し意識いたしました！……(｀；ω；´)……わかりました！ご要望とあらば書かせていただきます！しかし主の心の体調ややる気具合で変わってくるので、更新されなかったら諦めたと思ってくださいw (2019年4月18日 20時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - 今回も面白かったです！次は……どこぞのバーコードさんですかね？待ってます！頑張って下さい！ (2019年4月18日 20時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
