フラストレーション男子の扱い方【そらる】

20.貧欲なもの ページ20

「…………好きだよ、A」






ボロボロになった体で、真っ暗闇の狭い世界の中、彼は笑う。





それこそが“愛”だと、彼は信じているから____



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『うぼぁあぁぁっ！？！？』






「……矢口ぃ？……お前、俺の前で寝るとはぁいい度胸だなぁ？」






私はその聞いたことのある声で目を覚まし、体を起こし上げると、目の前で先生が眉を下げて激怒していた。





……ひいいいいいいいい！！！！






『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいい！！！』





「罰として今日、居残りで教室掃除な！！」





『……そ、そんなぁぁぁぁ！！』






するとクラス中は笑いが走っていく。






私はそんな状況下の中でも笑うことはできず、へなへなと机に伏せていった。






……あのスイーツ店で一ノ瀬くんに説明してもらってたから、早一日。





私は普段通りのごく普通の生活をしているはずなんだけれども……、









「………………あーん、」





『……相川くん、スイーツ店で受け入れてもらったからって食堂のおばちゃんの愛情こもった卵焼きを私の前に差し出すでないぞ』






相川くんに食べないかと誘われ、一緒に食堂で食べていたら案の定、スイーツ店でのあーんを食堂でもやって来やがった。





私は今日はカレーセット、そして相川くんは海鮮丼セットね、美味しそう。





「……………愛を貰うのは、お嫌い、ですか？……」





『……いや、嫌いって訳じゃ……』





「……じゃあ食べてください、」






ええええええええ、…………






あのね！？めっちゃ女子の視線がいたいの！！わかる！？





この子ものすっごく真顔だけど！？ねぇ！？絶対気づいてないでしょ！？









「…………一ノ瀬先輩の方が、お好きですか？」






『………………な、なななな！？！』






相川くんに真顔で問いかけられると、私の顔はみるみると真っ赤に染まっていく。





い、いや！！相川くんとかわいくて素敵よ！？一ノ瀬くんと同じくらいでいいんじゃないの！？





「………………一ノ瀬先輩は、諦めた方がいいですよ」






『…………………………へ？』



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「……………………あの人、愛が欲しいだなんて言ってるけど、“誰にも愛されたくない”って、本当はそう思ってるんですから……」

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