フラストレーション男子の扱い方【そらる】

13.愛情表現 ページ13

[？？目線]





……ヤバイ、どうしようどうしようどうしよう！





変な態度をとってしまった！しかも初対面の人に！！……





しかも差別までしてしまったし！……






もう、……どうしていつも気持ちを伝えられないかなぁ、





『…………あ、』





ふと気がつくと、野良猫は足元にいて、足首をすりすりと自分の毛でこすってきた。





そんな野良猫が愛らしくなり、腰らへんをつかんで父親が娘を高い高いするみたいに抱っこする。




「……ニャア〜！」





野良猫は嬉しそうに鳴き、抵抗一つさえもしなかった。




……野良猫はたくさん愛せるのに、人は愛せない。




今まで告白されて付き合ってた彼女とだって、全部愛情失調が原因。





“あんたいつも冷めてるのよ”とか、“私のこと本当に好き？”とか言われてさ、





……どうして誰も愛を伝えられないってわかってくれない？





……どうして、誰も自分の愛を気づこうとしない？




まあ、愛情表現のしない自分のせいなんだろうけど。





何処かの神様は、生け贄に愛情表現をしているという本を、何処かで読んだことがある。





甘ったれた話なのに、自分にはそんな神様の立ち位置や性格が羨ましかった。





『……はぁ、もういいや、帰ろう』




猫の額らへんに愛情表現として少しの口づけをし、野良猫を地上へ下ろす。





“バイバイ”とお別れをするため手を振ったあと、僕は路地裏をあとにした。





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『……早くいろはとぽてとに会いたいなぁ』

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