11.不思議くんと猫 ページ11
すると、先程まで私に背を向けていたその人の顔がくるっと方向転換し、私の方に振り返っていた。
……ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!見られてる!!
その人はサラサラの黒髪で、前髪が少し隠れていた。……でも、口角や眉の具合から、真顔を浮かべていることがわかる。
……凛とした少し冷たい瞳、そんな瞳は、私を完全に捉えていたたため、私は後戻りができなくなってしまった。
『……あ、え、あ、その、……』
猫には睨まれて?この人からは真顔で見られる?
ふざけんじゃねぇ!!!
私は表向きには焦ったような顔をしつつも、心の中ではすごくやけくそになっている。
「……矢口、A……」
『………………………………へ、』
少し薄目の唇を開き、その人は小さな声で呟いた。
な、なななななななんで私の名前を!?!?
……ってか!なんかさっきの猫に対する扱いと私に対する扱い違くない!?!?
頭の中が混乱と疑問符で一杯になる。
すると目の前のその少年は立ち上がる。私と同じくらいの顔立ちなのに、背の高さではあちらの方が勝っていた。
「…………猫」
『…………は?』
この人語彙力大丈夫か()
私はキョトンとした瞳を彼に送っていると、彼は突然深呼吸をし始めた。
すーはー、と、彼の息が聞こえる。私は口をあんぐりと開けていると、彼から言葉が返ってきた。
「……………………愛に餓える貧欲な者が、近くにいて、……友達?」
??????????????????
頭にこれ以上でないであろう疑問符がたくさん出てきた。
愛に餓える貧欲なもの?……なんか言い方かっこよくね?
『……え、ええと、……?』
「…………それと、下」
……………………はい?
彼は突然、下を指差す。私はそれにつられて、下を見るべく顎を引いて俯くように下を見ると、……。
「……シャァァァァア!」
『……ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!?!?』
猫が私の足首をガブリと噛んでいた。
むりむりむりむり!!!いたいいたいいたい!!!!
身体中に鋭い痛みが走って、抵抗さえもできなくなる。
猫ってこんなにいたいものなの!?あ!野良猫だからこんな痛いのか!?!?知らねぇ!!
って!そんなこと思ってる場合じゃねえええええ!!!
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
はなね - 貧欲ではなく貪欲では? (2019年10月22日 14時) (レス) id: ea485f4be1 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 愛香さん» ありがとうございますううううう!!!!はい!天界から降臨したエンジェルボイスを持つ天使さんの予定です!!はい!頑張ります! (2019年4月18日 20時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - layuさん» ありがとうございますううううう!!!!今回はそらまふを少し意識いたしました!……(`;ω;´)……わかりました!ご要望とあらば書かせていただきます!しかし主の心の体調ややる気具合で変わってくるので、更新されなかったら諦めたと思ってくださいw (2019年4月18日 20時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
愛香(プロフ) - 今回も面白かったです!次は……どこぞのバーコードさんですかね?待ってます!頑張って下さい! (2019年4月18日 20時) (レス) id: 02509c761b (このIDを非表示/違反報告)
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