4.みーつけた ページ4
『え、ちょっ、え!?ただの勘だったんですけど!?』
「……勘だとしても、俺を見つけられたのはお前だけだよ……」
私も座っている人物も、信じられないというような顔をする。
「……まぁ、約束は約束だし、この参考書は返すよ」
すると、奥に浮いていた参考書に向けて、その人物は引き寄せるように片手を開いた。
そしてその刹那、瞬間移動のような早さでその人物の手に参考書が現れた。
その人物は立ち上がり、私の前まで近づいて、参考書を差し出した。
「……はい。参考書。」
『あ、ありがとう、……』
私はそれを渋々受けとると、その人物は後ずさりをして、距離をとる。
「……まさか、お前みたいな地味なやつが俺に気づくなんて思わなかった……。それを見込んで、お前にたのみがある。」
『…………頼み?』
突然落ち着く人物に、私は首をかしげる。
すると、その人物は手の平を上にし、何かを差し出すような形になる。
そして、その手のひらからは宝石のような形をした青色の輝くものが浮かび上がってくる。
……も、もしかして、それをくれるのかな?……
なんて期待していると……、
[っておい!!おかしいだろ!!重力逆らうな!!]
[な、何!?参考書の分際で、今まで使ってあげた恩を忘れたの!?]
流れたのは、私がさっきぶっぱなしたはしたない言葉。
私は恐る恐る人物の顔を見上げてみると、にっこりとした満面の笑顔。
その笑顔が黒く感じて、鳥肌がたつ。
「ふふっ、これ、録音機になってるんだァ……。この録音、お前のクラスメイトに聞かれたらどうなるかなぁ?……」
ひ、ひいいいぃぃぃぃ!!!
怖い!!予想ができないくらい怖い!!無理!!
私の顔は一気に青ざめて、体は小刻みに震え始める。
『ちょっ!お願い!何でもするから!それだけは!それだけはぁぁぁぁぁ!!!』
………………………………あ。
「今、何でもするっていったよねェ?」
心なしかさっきより黒くなり、口角も上がった気がする。
ヤバイ。完全に詰んだこれ。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
「じゃあ、俺と契約して、血を飲ましてよ」
………………………………は?
885人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましゅ - そらる吸血鬼えろるすぎやr((( めっちゃ好きです!! (2022年7月17日 9時) (レス) @page35 id: de60ba5332 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 440票目ゲット!シャー↑ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 86451e69dd (このIDを非表示/違反報告)
利闇涙(プロフ) - 初コメ失礼します!めっっっっっちゃ感動しました!とても面白かったです!完結おめでとうございます!お疲れ様でした! (2019年5月11日 12時) (レス) id: da6ca6fcda (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» おぉぉぉぉwwありがとう!!wwあんまりやると怒られちゃうかもだから気を付けてね!w(でも小説の感想だからワンチャン大丈夫かもw) (2019年3月30日 0時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - うらたん、いい人だったw吸血鬼、萌えた(萌えはてたわ)私も長々とコメしてるやつにちゃんと返してくれるやのん好きよ← (2019年3月30日 0時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ