そらるを守りたい。【そらる】

34 ページ34

『っ！……』









「あらあら、大丈夫？」









保険の先生は優しく手当てしてくれるけど、やっぱりまだ痛む









「軽い捻挫(ねんざ)かしらね、階段から落ちたって聞いたけど、大丈夫？」









『……あ、はい！全然！全くいたくありません！』









本当は押されたし、ものすごい痛い









いまが大事な時期なのに！……









と、ちょっと悔しがる









「まぁ、病院に見てもらいなさいね、走るとか、激しい運動はしないこと



なにもしなければ一週間で治るわよ」









そう丁寧に説明され、私は家に帰った







ーーーーーーーーーーーーーー









いや、別に病院とか行かなくていいし、←本当はダメです









お母さんもいないし、部屋でいつものノートを書いていた









『私、いじめの標的になったかもなぁ……』









その事も含めて、ノートに書き込む









そこでふと、とあることを思い付いた









『そういえば、ノートに名前、書いてなかったな……









まぁ、無難に“作戦ノート”でいっか』









私は表紙にペンで“作戦ノート”と大きく書く









『よし、これからは作戦ノートと言おう、うん』









そう思い込んで、その日を過ごした









ーーーーーーーーーーーーーー









「調子はどう？」









「もう、心配したんだから！」









「おなごかwわしは大丈夫だよ、






でもさ、」









「……でも？」









「なんか最近、Aの様子がおかしくないかな？大丈夫？」









「僕が見た限り大丈夫だけど……そらるさんは？」









「……しらない」









「おいおい、素直になれや」








「そーだそーだ」









「うるさい」









「……でも、本当に、Aがいなくなっちゃいそうで怖いんだよね、まるでもうこの世界の人じゃなくなるみたいに」









「……は？」









「僕もそう思う、何か、一人で抱え込んでそう」









「なんだよ、それ……」









「そらるん、お願いだから、Aと仲良くして？」









「……」









「僕からも、お願い！」









・









・









・









・









・









・









・









・









・







「ちょっと、考えさせて」

35→←33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す