CASE3-91 ページ21
ここで、この本丸の勢いに流されて忘れていたがそういえばと思い出し、目の前の御手杵に言う。
「だってなあ……"俺はお前と全く同じ"なんだから和泉守の考えてることなんか分かんねえよ」
「だよ、なあ……お前も俺だもんなあ……」
その返答に俺はまだ気は抜けないもののようやく一息つけそうだ、と思った。
どうやら俺は他の御手杵から見て違和感は無いらしい。何かあったら多少なりとも今の発言に反応するだろうからな。
ということは、やはりあの祟り神の影響はそこまで無いようだし、成り代わりにおいての弊害も無いようだ。
これでとりあえずは、演練にも行けるし外にも出歩けるから一安心だと言ったところか。まだ油断はできないが。
「まあ、なんだ」
取り敢えず審神者のところに戻ろう。
そう言った俺は苦笑いした。俺は厠だと言って出てきたのだ。
「御手杵どこへ行っていたの?待ちきれなくて三日月が探しに行っちゃったし……」
「んー、迷っちまってなあ。あとここの奴らと話してたんだ。ここの和泉守、なんか大変そうだな」
御手杵と別れて部屋に戻ってそう言えば、あっちゃんとやらは顔を曇らせた。どうやらあの二人はここの審神者にさえ関係を知られているらしい。
まあ一ヶ月避けたら分かるわなそら。むしろなんで御手杵そこまでして気付かなかったんだ。
そうしていたら、あっちゃんは眉を下げた。
「あの、その……兼さん、すごくいい人、刀?なんです。ぎねも、ちゃんと話したら分かってくれると思うし……だ、だから!」
ばっと勢いよく頭を下げた彼女に目が点になる。
茶を淹れて帰ってきていたらしい隣の歌仙もしょうがないという風に溜め息をついた。
「あの二人、どうすればいいかアドバイスくれませんか!」
そう言われて思わず頰をかく。いや、俺に言われても案件なんだが。
「ええ……アドバイスって言われてもなあ……俺、和泉守が避ける理由なんて思いつかねえし……」
「何でもいいんです!きっかけになりさえすれば!」
「いやあ、そう言われても……」
個人的にだが、解決してくださいだとかの丸投げではなく、あくまでアドバイスという自分の本丸の中で解決しようとしている姿勢は評価できる。
だが、きっかけと言われても俺はそういうのは専門外である。せいぜい一般常識的なことぐらいしか言えない。
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白萩(プロフ) - アーーーッ!!あったっ!!!!パス通ったッ!!!セーフッ!!!!! (2022年7月18日 17時) (レス) id: b9eb7ef066 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみもち(プロフ) - こんにちは!!!元白萩でございます!!!アカウントログイン不可能ッ!!!!すまない読者様!!!!!いつかpixivかなんかで放出します!!!!! (2022年7月18日 12時) (レス) id: e86e9ee7be (このIDを非表示/違反報告)
白萩(プロフ) - びっぐとまとさん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました。素敵な作品や、忘れないと言われてとても嬉しいです!!こんな形になってしまいましたが意地でもネタは放出します!!本当にありがとうございます!!読者様大好きです!! (2020年7月23日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
びっぐとまと(プロフ) - 今まで素敵な作品を提供していただき、ありがとうございました!そして本業や生活がある中での更新、お疲れ様でした!素敵な作品と出会えたこと、一生忘れないと思います。 (2020年7月23日 1時) (レス) id: 5f452c992d (このIDを非表示/違反報告)
びっぐとまと(プロフ) - こんにちは!楽しく読ませていただいておりました。成り代り設定のお話でも他のものとは違って新鮮で、心情の変化にドキドキしながら読んでいました。この度作者さまのコメントを読み、どんな形でも更新するという選択をされたことにありがたく思います。→ (2020年7月23日 1時) (レス) id: 5f452c992d (このIDを非表示/違反報告)
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